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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十七話 The End
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中で言った。

『まだ……終わらない。終わらせ、ない……あの人は、必ず、お前達を……』
しかし、そんな内心の言葉すら切り裂くように、刃を一度ヒュンッ!と振ったアイリが、背を向けて呟く。

「The End(終わりだよ)」
砂の乾いた音を響かせながら、死銃こと、赤目のザザは地面へと倒れ込んだ。一度細かく点滅したスカルマスクの瞳が、フッとその光を消した。

――――

「はぁ……」
倒れた死銃が完全に動かなくなったのを確認してから、アイリは深い溜息をついた。地面に座り込みたくなるのをなんとか堪えながら、頭上で美しく輝く仮想の星々を見つめる。
この世界で星を見たのは、そう言えばこれが初めてだっけ。とアイリは感慨深い気持ちでそれらを見つめた。
かつて起こったと言う最終戦争の影響により、この世界の空は昼夜を問わず常にどんよりとした厚い雲に覆われている。
NPCの長老の話によれば、いつの日か時間の流れが世界に満ちる毒を浄化しきった時、砂は白く戻り、雲は晴れ、青空と星空が戻るのだそうだ。

もしかするとこの島は、そんな全てが終わった後に残るこの世界をイメージしているのかもしれない。そんな事をちらりと思った時だった。

「……お、流石、終わってたか」
「あ……!」
不意に背後から声が掛かり、一瞬ピクリと震えたアイリの体は勢いよく振りかえる。

「リョウ!」
「よっ、お疲れさん」
ピッ、と右手を上げたリョウに、アイリは輝くような笑顔を向けた後、えっへんと胸を張る。

「ふふふ、どう?ちゃんと勝てたでしょ!」
「まぁ、みてぇだな……お見事だ、アイリどの」
「えへへへ……」
一瞬呆れたように苦笑した物の、素直な感想としてアイリに称賛を贈るリョウに、アイリは照れたように笑う。

「さて……勝ったな」
呟くように言ったリョウにアイリはコクリと頷いて返す。

「うん……勝った」
しばらく二人の間に沈黙が続き、やがてリョウがアイテムウィンドウからM2を取り出して言う。

「……さて、来たぞ」
「あ、本当」
遠く、砂煙を巻き上げながら此方に向けて疾走してくるハンヴィーが見えた。あの中には、恐らくだがキリトとシノンが乗っている筈だ。
二人が洞窟を出る直前に、彼等は約束していた。互いの仕事が終わり、二組で両方とも欠員が出なかった時は……

「さぁ、そんじゃあやりますかぁ!?アイリさん!」
「うん!これでホントに、ラストバトル!!」
リョウがM2を構え、アイリが右手に持った鋼鉄の剣を再び正面に向けて構える。と、走り出す前に、アイリが言った。

「ねぇ、リョウ!」
「あ?」
「大会が終わったら、向こうで、一個だけ、私のお願い聞いてくれないかな?」
「はぁ?」
行き成りの意図の分からない発
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