四話
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、繰弦曲・跳ね虫。
投げ放たれた巨大な円錐はヴェルゼンハイム、それも先に攻撃したものが付けた傷に突き刺さり、爆発を連鎖させながら巨体の中に潜り込んでいく。
変化はさらに続く。体内へと潜り込んだ鋼糸はすさまじい速度で円錐の形を解きほぐし、その過程で暴れまわるこうしが体内から切り裂いていく。絡まった糸が反動を持って解れていくかのように、その斬線は無秩序で容赦がない。
もとからあった傷をより深く、激しく抉り出しあたりに飛び散らせる。
受けた衝撃にヴェルゼンハイムの炎が勢いを増しそれぞれを狙って伸びる。
「おいおい、随分と見境なしだな。クララ、少し引くぞ」
途中で狼面衆を巻き込むものもあるがヴェルゼンハイムが気にすることは無い。流石に近づく事ができず皆一様に距離を取る。
一時的に伸びた炎が収まった時、現れた姿に息を呑む。あれ程に与えたはずの傷が殆ど無くなっていたからだ。
そして異変は続く。飛び散ったヴェルゼンハイムの欠片、それらが地面に落ちると全員が見慣れた姿へと形を変える。
汚染獣、雄性体の一期か二期、それに相当する姿やツェルニに振って来た巨人の姿となる。
更に、落ちた先に狼面衆がいた場合、狼面衆を取り込み更に奇怪な姿へと変化していく。
「あー、あそこまでいくともう老性体って呼んでもいいんじゃないんですか。あっちも何でもありって感じですけど、どうやってるんでしょうね」
「それもだがあの回復力、あれだけの傷を一気に回復されるとかなり大変だぞ」
呆れたようなクララにニーナが同意する。
「ふん」
そんな少女達を横目にリンテンスが再びヴェルゼンハイムに向かう。
「リンテンス様、ちょっと待ってください。あれを殴った端から汚染獣が生まれてきたんじゃ大変すぎますよ」
「再生するというのならそれ以上をもって叩くしかないだろう。相手がどんなものであろうと同じことだ」
止めようとするが一顧だにされない。
「まあ待て、あの穴を塞がない限り奴を倒すのは難しいぞ」
横から新たな声が届く。その先にはアイレインがいる。
「あの穴から入ってくるオーロラ粒子を利用して再生や分体を作っている。今潰す準備をしているから少し待て」
そう言われ頭上を見上げると影が一つ、ハルペーだ。
バーメリンは露骨に疑わしそうに見ているが、アルシェイラやトロイアットはどうするのか興味深げに見つめている。
機械であり兵器であるクラウドセルの全身が発光している。
ハルペーの主要部分を除く全てのナノマシンをエネルギーの発生機関とし、そして凝縮しようとしている。解き放たれたエネルギーは界面の揺らぎを呼び起こし穴を埋めるだろう。
目標は設定するまでも無く巨大で、あとは十分に溜まったところで射出するだけだ。
撃鉄が落ち、ハルペーは自らの身を構
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