第四章 空白期編
第百四話 『ファーストキスの話』
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している私がここにいる、と…。
もう、今がその時だ!というフレーズが頭を過ぎる。
なぜか葉巻を咥えたリンのイメージも頭に降ってきて『あんたの人生、正直にいけよ…』と言い残してヤサグレ顔で赤い車で去っていく。…うん、今後はヤサグレリンと命名しよう。
そして普段は休眠しているイリヤの意識を起こして一応相談してみると、
《シホの気持ちに正直にいったらいいと思うわよ? お姉ちゃんはシホの恋を応援しているから。
あ! なんならアインツベルンの知識にあるもので錬金術で擬似男○器も一時的に作り出せるけどそのうち使う…?
ちゃんと子供も作れる優れものだよ! 配偶(子)的に女性同士だと必ず生まれてくる子供は女の子だって決まっているけどね〜》
《イリヤさん、本当に勘弁してください…。今はキスだけで精一杯ですから》
《そう? 残念ね…。でも使いたい時が来たら行ってね。全力で応援および協力はするから!》
《ええ…。そんな時が来たらね…》
それでイリヤは再び眠りにつく。
でも、そんなものまで作り出せるなんてさすが、アインツベルンの錬金術は世界一ぃーーーッ! と豪語するだけあるわね。
そんな、どうしようもない事を考えているうちに今日の一日の学校のスケジュールも消化していってあっという間に放課後になってしまった。
やばいなぁ…今日一日悶々と考えていたがやっぱりすずかの気持ちに正直に答えるという選択肢以外が見つからない。
そうだね…よし! ここは思いっきりが一番ね。
それで私は携帯で放課後にすずかを呼び出すことにした。
「場所は私達の教室。窓際で待っています…っと、メール送信」
すずかは学校の授業に加えて管理局でのお仕事。さらに部活も兼任している。
ま、それはアリサも生徒会に入ってはいるけどとても私には両立はできなさそうな事をしている。
そんな事はいいとして、
「はぁ、ドキドキするわね…」
そろそろすずかの部活も終わりメールを見ている頃だろう。
私は爆発しそうな心臓をなんとか抑えながら教室ですずかが来るのを待つ。
そして日も暮れ出してきたそんな時に、
「シホちゃん…」
ついにすずかが、教室にやってきた。
◆◇―――――――――◇◆
シホとすずかはこうして一日で向かい合うのは朝ぶりである。
でもそれだけで長い時間だったと思う。
すずかはシホに火照った顔のまま近寄っていく。
向かい合うシホもかなり顔が赤い。
「シホちゃん…朝の返事、聞かせてほしいな」
まずすずかがそう切り出す。
「ええ、すずか…。そのね、色々と考えたけどやっぱり気持ちには正直に行くべきだと思ったのよ。だから、キス、しようか…」
「うん! 嬉しいよ、シホちゃん…」
そして少しずつ二人は顔を近づけて
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