第四章 空白期編
第百四話 『ファーストキスの話』
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聴き終えてきて戻ってきたアリサちゃんは私の肩に手を置き、
「すずか。頑張りなさい。最初を奪うのよ!」
「う、うん…!」
「次は私やね? さて、なにをしよかー。あ、いいこと思いついた。シホちゃんの本心を聞いてみよか」
ニヒヒ。という感じのチャシャ猫のような笑みを浮かべたはやてちゃんがシホちゃんに寄っていくと、
「なぁなぁシホちゃん?」
「なに、はやて?」
「私とキス、してみん…?」
「はぁあああーーー!?」
「えぇえええーーー!?」
シホちゃんと、それとはやてちゃんの計画だと分かっていてもつい私も大声をあげてしまった。
事情を知らないなのはちゃん達も大声を上げている始末である。
「な、なんでいきなりそんな話なの!?」
「だって、シホちゃんまだキスをしたことがないんやろ? だったら一番乗りしておくのも面白いかなと思ってなぁー?」
「そ、そんなのだめよ!」
「なんで? 別にええやん。友達同士の友情のキスみたいなもので軽く考えておけばええんや。外国やと結構普通なんやろ?」
「でも、やっぱりダメよ!」
「なんで…? 事情を説明してくれへんと納得できへんなぁ…?」
…なんか、はやてちゃんの考えがわかったかもしれない。
きっとシホちゃんになにかを言わせようとしているんだ。
それでシホちゃんは顔を赤くし口ごもりながらも、
「や、やっぱりそういうのは好きな人同士でしたほうがいいと思うのよ…。だから私はそんな軽い気持ちではキスはできないと思う…」
「ほんなら好きな人同士でならオッケイなんね?」
「ま、まぁそういう事になるのかな?」
「「だったら…!」」
そこでアリサちゃんとはやてちゃんは同時に声をあげる。
「好き同士のすずかちゃんとならキスはしてもええってことやよね?」
「そうよねぇ〜。そこのところはっきりとしておいた方が今後のためになるわね」
「え、えぇえーーー…?」
シホちゃんはさらに顔を赤くしていた。
でも、そこでシホちゃんはようやく二人の魂胆に気づいたのか「ハッ!」とした顔になり、
「…アリサ、はやて。なにか二人して企んでいるでしょ? さっきからなにか私、誘導されている気がするんだけど…」
「なんでもー?」
「ないわよー?」
「嘘おっしゃい!」
シホちゃんはそれで怒声を上げるけどそこに計画外の人達の声が聞こえてくる。
それはアリシアちゃんで、
「でもシホもすずかの事が好きなんでしょう? だったらファーストキスくらい捧げてもいいんじゃないかな?」
「あ、アリシア…!」
純粋にそう言うアリシアちゃん。
私はもう聞いているだけで恥ずかしくてなにも言えないよ…。
「きっかけは大事だよ。シホちゃん。今回がいいチャンスかもしれないよ?」
「
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