第四章 空白期編
第百四話 『ファーストキスの話』
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たのか心配そうな表情になって、
「すずか…? どこか具合が悪いの?」
「え…? なんでそう思ったの?」
「いや、なんていうかいつもの元気がないからいつかのようにまたなにかを思いつめているんじゃないかなと思って…」
すごい。シホちゃん、やっぱりそういうことに関しては敏感だね。
でも、まだシホちゃん本人にこの事を打ち明ける勇気はないので曖昧な表情をしながら、
「なんでもないよ。シホちゃんは気にしないで…?」
「そう…? でも無理があったならすぐに教えてね?」
「うん…!」
シホちゃんの本心からの心配が良心を痛める。
シホちゃんとのキスに関して悩んでいたなんて恥ずかしくて話せないよ。
そんな時だった。
アリサちゃんとはやてちゃんがちょいちょいっと私の肩をつついてくる。
どうしたのかな…?
それで振り向くと二人はニヤニヤした笑みを浮かべながら携帯を取り出してみんなに見えないように見せてくる。
そこに表示されていた内容に思わず赤面する。
それは二人共同じメールで宛先は当然お姉ちゃん。
内容としては、
『すずかがシホちゃんとどうファーストキスをするか悩んでいるから手助けしてやってくれないかな? 二人にならすずかを任せられるからお願いね?』
などという内容だった。
お姉ちゃん…!?
思わず空を見上げてどこかにいるだろうお姉ちゃんに心で叫んだ。
「まぁ、すずか。あたし達にどんと任せなさい?」
「そうやね。初めてはいい思い出を作ってやるからな〜」
アリサちゃんとはやてちゃんはいい笑みでそう話してくる。
うう〜…話が発展しすぎだよ。
少し不安だ…。
でも、もう引き返せないんだなって思って覚悟を決めている私がここにいた。
それから二人は学校に向かいながらもほかのみんなには内緒で瞬時に面白おかしくも計画を立てていく。
まずアリサちゃんはシホちゃんにあることを聞く。
「ねぇ、シホ。ちょっといい?」
「なに、アリサ?」
「つかのこと聞くけどシホってキスしたことあるの…?」
「ぶっ!? アリサ、と、突然なにを…!?」
「いや、興味本位だから気にしないでいいわよ?」
「本当にぃ…?」
「当たり前じゃない!」
シホちゃんは疑いの目でアリサちゃんを見るけどアリサちゃんは無難にやり過ごしていた。
まずはシホちゃんの経験を聞きたいらしい。
「そうねぇ…?」
シホちゃんは腕を組みながらも、
「………あれ? そういえば実際にキスした経験、なかったりするのかな…? アヴェンジャーとの記憶も結局は夢の世界だし…」
「それじゃまだしたことがないわけね?」
「そうなるわね。でもいきなりどうしてそんな話を…?」
「だから興味本位だって」
「そう…?」
それで満足して
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