暁 〜小説投稿サイト〜
シャンヴリルの黒猫
51話「第一次本戦 (2)」
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の剣に自信を持っているからだ。

 そして内心でくすぶり続けた苛立ちの火は、やがて焦りとなって振るう剣に表れる。

(当てたい。一発あたりゃあ奴はあの軽装だ、アバラの2,3本は持っていける。一発でも当てれば…!!)

 その気持ちから、無意識にロートスは剣をより大きく振り上げた。狙うはアシュレイの左肩。

 この時、ロートスは気付かなかった。

 今の今まで、自身の振るう大剣を全てかわしてきたアシュレイが、無防備にその足を止めたこと。その意味を。

(いける…!!)

 意地と怒りにまかせて振り下ろした鉄塊は、だが獲物を食らうことは叶わなかった。

 ふと気が付けば、ロートスはなぜか空を見上げていた。

(……え…?)

 34歳B-ランク大剣使い、ロートス・ブランデーが次、穏やかに目を開けたのは、日付が変わったあとだったとは、彼を治療した医療魔道士見習いの談である。

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