第三幕その八
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」
「だが御前は喜んで愛の力に従った」
ヴォータンはここでも己の真意を隠していた。ここでもだった。
「御前が愛さねばならぬ者に従えばいい」
「私自身が」
「そうだ」
「では私はどういった者に」
「御前が選ぶ権利はない」
今は突き放してみせたのだった。
「全くな」
「ですが貴方は」
必死の顔で娘に告げる父だった。
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