第1章
旧校舎のディアボロス
第1話 イッセーと明日夏と千秋
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うと思った。
「じゃあな、明日夏に千秋。また明日」
俺は二人に別れを告げて松田と元浜の後に着いて行った。
ー○●○ー
「さっさと言わないからだ」
「……うぅ……」
千秋は項垂れていた。
元々、千秋が来たのはイッセーと一緒に帰る為だ。
その理由はイッセーに好意を抱いているからだ。
幼少の頃、千秋はとある理由で引きこもりだった。家にイッセーが遊びにきた時にイッセーがトイレに行って戻ってくる時に同じくトイレに行こうとした千秋と鉢合わせした。千秋はすぐさま、トイレに逃げ込んだ。その後、俺から千秋の事を知ったイッセーは千秋と仲良くなろうとたくさん話をした。千秋がどんなに避けようともイッセーは仲良くなることを諦めなかった。その甲斐あってか、その内、千秋が徐々にイッセーの話し掛けに反応する様になり、いつの間にか楽しそうに喋っていた。それを見た当時の俺は非常に驚いた。
この日を境に千秋は引き籠らなくなり、そして、そのきっかけになったイッセーに好意を抱くのに時間は掛からなかった。
「さっさとしないと手遅れになるぞ?」
「う、うん……」
千秋は顔を赤くしながら頷く。
「じゃ、俺は買い出ししてから帰る。あの様子じゃ今日はもう無理だろ。先に帰ってろ」
「うん、分かった」
千秋はそのままとぼとぼと帰って行った。
「やれやれ、素直になれないのもだが、あいつもあいつで鈍いのもな……」
千秋の好意が伝わらないのはなかなか素直になれない千秋もだが、イッセー自身が鈍いのもある。
ま、これは千秋の問題だし、あいつ自身がなんとかしないとな。
まあ、少しぐらいは背中を押してやるのも良いかもしれないが。
そう思いながら、俺は買い出しに行くのだった。
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