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イナズマイレブンGO AnotherEdition
第1部 シード編
第4話『怒れる獣』
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なんじゃね?」

「……クマ」

フィールドの状況を心配そうに見つめているが、熊井にとって相手が化身を出そうが出さまいが、そんな事はまるで関係ない。怒りのこもった今の彼にはシュートを叩き込むことしか頭になかった。

「ゴールは割らせねぇぜ!!テメェなんかにな!!」

「ほざけッ!言ったろうがァ!俺はテメェ等に実力の差を教えるとなァッ!!嫌でも教え込んでやるッ!!」

「化身の出せないお前に決められてたまるか!」

「なら化身でも何でも出してやるッ!!テメェ等が俺の怒りに触れた事に後悔を、恐怖を覚えてやるッ!!!うおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

怒りを全て解き放つかのように強く叫び、それに呼応するかのように体から黒いオーラが漂い始める。

「「!?」」

「現れやがれッ!”幻獣帝(ゲンジュウテイ)キマイラ”!」

まさか、と見ている者達にある予感をさせ、その予感は的中し、黒いオーラが形を形成すると、化身は真の姿を現し、ライオンの頭にグリフォンのような大きな翼、クマのような鋭い爪、様々な動物の体を持つ化身、キマイラが姿を現す。

「なっ!?こいつ化身を!!」

「決めてやる!うおおおおおおッ!!ビーストスマッシャーァ!!!!」

キマイラが猛々しい雄叫びを今一度轟かせ、強大な両爪を一気に振り下ろし、そのパワーをボールに加える化身シュート、”ビーストスマッシャー”、それに対しガレウスも後部のパーツを連結させ、強大な盾を作る。

「止める!ガーディアンシールド!!」

化身のガレウスが持つ盾がキマイラの爪を受け止め、火花を散らしながら化身同士がフィールドでぶつかり合う。観戦者達はその光景にいつしか見せられ、注目していた。

「うおおおおおおおおおッ!!」

化身同士の激突は徐々にキマイラに軍配が上がり、キマイラの両爪がガレウスの盾を突き破り、そのまま一刀両断しガレウスを消し去ると、強烈なシュートがゴールへと突き刺さり、それにはただ呆然とするしかなかった。

「俺達が二度も、負けた?」

「満足だろうがァ?俺がシードであることに、もう文句は言わせねぇぞッ!」

彼がここまでの力を見せた以上、熊井がシードであることに認めざるを得なかった。




*




「やったな!クマ!」

試合を終えた矢先、龍野が合流し勝利を祝福しながら背中を叩くが、何故か熊井本人はどこかぼっーとして、反応を示さない。

「クマ?」

「…………」

「おい!クマってば!」

「!、あっ!龍野君!ごめん気付かなくて!」

試合で見せたあの獣のような迫力は今はなく、普段通りの狸のように大人しい元の熊井の雰囲気に戻っており、あまりのギャップに少し龍野も戸惑ってしまう
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