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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
エンディング3・彼女の手記
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 彼の足跡を訪ねてヴェルダン王国にも渡った。
 とても美しい国で、彼が側にいてくれたらもっと……なんて思ってしまう。
 ガンドルフ王は彼の訃報を自分の身内のことであるかのように悲しんだと王弟のキンボイスは言ってくれた。
 彼が遺して行ってくれた警告のおかげでサンディマというロプト魔道士に国政を壟断されずに済んだとも……。
 このヴェルダン行きにはお忍びでグランベルのディアドラ王女も同道しています。
 クルト王はご成婚後、なかなか子宝に恵まれず……生まれても幼いうちに亡くなるなど……。
 第二とか第三夫人まで迎え、跡継ぎの確保に懸命だったのだけれどどうしても上手くいかず……憶測や推測で書いてはいけない様々な事があったとしかあたしからは言えません。
 それはともかく、彼女とあたしはお互いグランベルの貴族社会とかけ離れた環境で生まれ育ったという妙な親近感を感じたのもあるし……彼女も彼に淡い想いを抱いていたみたいで、ほんと、彼は行く先々で………ううん、そういう惹きつける人だからあたしも……なのかな。
 



 もうずいぶん前になるけどシグルド様とエーディン様が一緒になったお祝いのあとのヤケ酒に付き合わされてから、アゼルとはちょっとした関係になってしまった。
 お酒の勢いだったし気にしなくていいって言ったけどアゼルったら"そんな無責任なコトは出来ない"って。
 彼みたいなコト言うんだもん……。
 あたしの心にはずっと彼が居るから駄目だよって言っても、彼をずっと想っていてももいいってあんな柔弱そうな見た目とは思えないくらい情熱的に迫ってきてあたしもぐらっと来るものはあったからね。
 そうして、これだけの時間が過ぎても変わらないアゼルの気持ちに応えるためにも、自分の気持ちの整理のためにも、彼の行跡を辿り、綴っている。
 彼とアゼルの共通の友人であるレックス公子はどうしているかと言うと、今、あたしの護衛という名目でこの旅に加わっているの。
 もちろん他にもヴォルツ、マディノはその後アグスティの直轄地になって自治権が奪われ、傭兵隊が解散させられてしまい、ジャコバンは甥のジャバローとその家族を連れてきて……その二人も今一緒です。




 ブリギッドさんはレイミアとウマが合うみたいで、今は彼女の領国でとある開拓村の村長をやっている。
 でも、さすがに公女ブリギッドではまずいってことでエーヴェルと名前を変えて身分も隠してなのだけどね。
 その開拓村を開設するとき、レイミアが育った村から応援に来てくれた人たちが沢山いたのだけど、あたしや彼と同年代くらいで働き盛りなのに自分たちの村はいいの?って思った。
 疑問に思うだけじゃなくて聞いてみたらそのことよりも彼のことに興味を示していろいろと聞かれたの。
 彼には文字や計算、他に
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