エンディング3・彼女の手記
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り、杖を使うべき時に使わないのもあやまちなのだと……。
───────とても美しい真っ白い騎士が現れて、復活の儀式に立ち会ったみんなに告げたの。
彼には真の名があるので彼の名で復活を求めてもそれは応じられない。
真の名を知っている者は居るのか? と。
お兄様、あたし、レイミアにエーディンさんは彼が別世界から遣わされたって事は確かに知っていた。
でも、そこで名乗っていた名前までは知らなかったし……それに………知ろうともしなかった。
思い切りハンマーで頭を叩かれたような……そんな衝撃を受けた。
彼のことを愛する気持ちは誰よりも一番だと思っていたのに全然そんなことは無いのだと……
白い騎士……ヘルと名乗られたその女性はあたしたちを哀れに思って慈悲をかけてくれた。
「この場での復活はまかりならんが、別の世界、別の時であるならばそれを神に諮ってみよう」
みんな黙って考え込んでしまったけど、話し合って彼の奥さんであるレイミアに全てを任せたの。
だって、それが当たり前だよね……
しばらく彼女は考え込んでいたけど、こう言ったわ。
「……生きていてくれさえすれば……それでいいよ。 ミュアハがどこかで生きていてくれたらそれでいい……」
「……ならば、この件引き受けた。 彼の地でまた相まみえようぞ、人の子らよ」
その言葉を残して白い騎士は彼の亡骸と共に跡かたもなく消えてしまった。
これはあやまちではなかったようでバルキリーの杖は壊れることなく輝きを放ったままだった。
もう会うことは出来ないのだろうけど……彼がどこかで生きているなら………そう思えるようになるまで時間はかかったけれど、あたしは立ち直ることが出来た。
あたしは死ぬまでレイミアの身の回りのお世話をさせてもらうつもりだった。
でも、彼が居なくなったあの日、運ばれて来た彼の体を見てレイミアは両手で抱き着いて泣き続けたの……。
お医者様の見立てでは左腕はまだ可能性があったけど、右腕は、指先以外動かせないって話だったのだけど……。
その日以来、レイミアの腕は日増しに良くなっていって、すぐに身の回りのことは何もかも出来るようになってしまった。
あたしが彼女に果たせる責任が無くなってしまうのかと思っていたら……彼はレイミアに贈り物をしていったみたいで……そう、おめでたです。
今と後の世に生きる彼と彼女を貶めたい人達に宣言します。
レイミアがあの時助け出されてからこの慶事が判明したのは五か月近く過ぎてからだし、無事に生まれてきたフゥノスには生まれつきノヴァの聖痕がありました。
間違いなく彼とレイミアの子です。
彼のお兄さんと
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