エンディング1・冥府
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けに頬杖を着いた。
まるで出来の悪い生徒に呆れた教師のような態度でこちらを見やると、
「いいか、キサマの真の名はそうとしてだ………生き返らせようとした連中は『誰』を生き返らせようとした?」
「アー!」
「まったく……そういう訳で『ミュアハ』の復活は無しだ。 クックック」
「そ、そんな……頼みます」
「言ったはずだ。 『ミュアハ』の復活は無しとな。 ……だいたいキサマ、戦士候補のくせに冥府に来るとか………まぁ、いい、キサマの案内人は冥府に軟禁されて自堕落しているからさっさと連れて出て行け」
「あ?……え?」
「ぇ〜ぃ、一から十まで説明せんとならんのか……このバカ垂れめは! いいか? キサマ自体は復活させたが『ミュアハ』として戻すのは認めん。 冥府からの出口など探し当てる前に餓死してしまうだろう? ヒトならばな。 よって大神によって軟禁されておるキサマの案内人を働かせよ」
彫像のようなこの存在はニヤっと口元を歪め足を組みなおした。
もったいぶるかのように一つ咳払いをすると
「キサマ、女神と組んで、大神に一泡吹かせたろ? あれは実に痛快だったものでな! 褒美と思え!」
「待ってください! わたしには会いたい人たちが……大切な人もいるのです」
思わず平伏し頼み込んだ。
それゆえ相手の様子を窺い知ることは出来ない。
「その儀はまかりならん」
「どうか! お願いします!」
「……キサマの申し出通りにしたとして、皆、既に寿命を終えるほどの時が流れておる。 墓参りでもしたいのか? キサマがキサマ自身と訴えても騙り者扱い、狂人扱いされるがオチよ」
……その後、ブリュンと名乗ったこの存在は大神がトラバントに憑依していたということを語った。
片腕を失い生死の境を彷徨っていたのに乗じて取り憑き、神の力や自身の記憶こそ封じたものの、代わりに神槍はそのままで持ち込んだという。
そこに目を付けたのが女神……占い師で、大事な首飾りをロキに命じて盗ませた大神への仕返しとして神槍を奪い取ってやろうと俺に持ち掛けてきた。
こんな事情は知らなかったが、三つ願いを叶えましょうというので申し出に乗った俺だった。
神槍を奪い取れた女神は神々への全国中継的な何かで大神が平伏し、彼女に許しを請う姿を配信したらしい。
それを視聴していたブリュンは大いに溜飲を下げたという。
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