エンディング1・冥府
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るのならば不公平は無い……しかし……
「それにだ、またぞろ私に流れる血筋を利用しようという輩に利用されぬとも限らん。 しかし、貴公は私のような大罪人では無く、何の咎も無いのだから……すまぬ、私のつまらぬ一言など気に留めてくれるな」
「………はい」
かっこつけなら彼のこの言葉に感銘を受けるなり、高潔な人間なら自分のしでかした行為の責任感を感じるなりして、もし、蘇る機会が出来たとしたら拒否するのかも知れない。
……だけど、俺はそんな機会が得られるのなら一も二もなく縋り付く。
それを批判されようがどうしようが甘んじて受けるどころか気にも留めずにね。
また会いたいもの……
それが遥か遠くに見えてからどれくらいの時間が過ぎたことだろう。
長い長い時をかけて辿り着いたそこは冷厳とし、生活感などまるで感じない……氷とも大理石ともまた違うような白さを誇り、厳かな佇まいをした城のようにも神殿のようにも感じる建立物だった。
アルヴィスがこの中へ吸い込まれて行ってからほどなくして俺の順番も来たようだ。
己の意思に関わらず進み続ける両足に任せ辿り着いたその先に、玉座のようなものに腰かける者が居た。
美貌の男性にも、酷薄そうな女性にも見えるその存在は白皙のその肌に劣らぬ真っ白い髪を長く垂らし、それに混ざる黒い筋が幾つも見えた。
開かれた眼には瞳が無く、唯々白い空間が見え、見ようによっては大理石で造られた彫像にさえ見えるだろう。
彫像では無いことを示すかのように、玉座の脇にある文台に手を遣ると幾枚か綴られた資料のようなものを取り上げ、顔を落とす。
「……苦役一万年、その後、魂ごと消滅させる」
やおら顔を上げたこの存在はそう告げると興味も無さそうに手に持った資料を片付けようとした。
一方的な宣告、それに……ここは地獄かなにかとは思うが何の説明も無いことに納得の行かない俺は
「罪状認否も何も無しで一方的過ぎやしませんか? それに、ここは何処です? あなたは一体?」
「…………まぁ待て、今のは座興よ、ククク。 キサマの復活の手続きは済んでおる。 あとは妾からの質問次第でそれを認めるか否かが決まると言うものだ」
「なっ……わかりました。 よろしくお願いします」
少し、いや、かなりイラっとしつつもこの存在の機嫌を損ねるのは得策では無いと思い、押し黙る。
そして、質問とはいったい……
「では尋ねよう……碓井悠稀よ」
「はい」
「ブッブー! はい、ゲームオーバー!」
「えぇぇぇぇぇ!」
なんじゃそりゃー!
やれやれ、とでも言いたげな仕草をしたこの美白オバケは、玉座に肘をつき、おま
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