第五十九話
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時に再生されてしまった。
全快の杖の効果ってやつか……
大剣を一閃させたが、大きく飛びすさられてしまった。
「でかした、魔将フぇアズーフ……ククク」
「まンフろい様、ヲ危のゥございマシ……ぐっ、くっ、おのれ……ハハッ」
「ふむ、まだまだ不完全だな。 ところでそこの小僧、なにゆえ儂の名を知っておる?」
「興味があるなら、もっと側に寄るといい、懇切丁寧に教えて差し上げるぞ!」
「……まぁ、いい。 フぇアズーフ、焼き払え!」
魔将は燎原之炎を俺に投げつけた。
予見できていたからなのか、それとも………俺が掻い潜った炎は辺りのものを一瞬にして炭化させてしまっていた。
視界の端でマンフロイが杖を拾おうとしていたので、咄嗟に投げナイフを放つ。
短い叫び声が聞こえ、奴は手を押さえ、憤怒の形相で睨み付けてきた。
「フぇアズーフ! 何をやっておる! さっさと始末するのじゃ!」
「……ふざけ……御る……意ッ」
魔将は再び紅蓮の炎を放ち、俺はそれをぎりぎりのところで避ける。
掠めて行った辺りの温度は凄まじく………俺の片耳は凄まじい痛みを感じていた。
「えぇ〜い! 何をやっておる!」
外れた炎はマンフロイが拾おうとしていた杖を焼き尽くし、細長い黒い染みを地面に残していた。
………これはもしや!
「目を覚ませ! アルヴィス卿! ロプトウスに抗え!」
「黙れ 小僧!」
「あなたに流れるロプトウスの血は、人々の為立ち上がった聖者マイラからのもの! そのことはあなた自身が己に言い聞かせていたことではないか!」
「黙れと言っておろうに!」
マンフロイは再び魔道書を構えると俺にめがけて詠唱を始める。
アルヴィスが正気に戻れば状況は激変するだろうが、そんなことを期待して言葉を紡いだ訳じゃ無い。
俺の狙いはアルヴィスの様子に懐疑的なマンフロイの動揺を誘い、隙の大きな奴の魔法を使わせることにある。
そして、もうひとつ……
魔法は物理的な手段で防げはしないとわかっていた。
雄たけびを上げ、奴が作り出した魔力の奔流に正面からぶつかる。
……もし、回避行動を行いながら寄ったとしても俊敏な動作で避けられてしまう公算が高いと予測したからだ。
焼けつくような痛みに耐える為に歯を喰いしばり、体ごと奴に突進した………
金属と金属が正面から衝突し、弾かれた如き音が辺りに響く。
………俺は、自分にそれを為せる技量も資格も無いとさえ思っていた。
それゆえに、その存在を忘れてさえいた。
青紫の輝きを放つ障壁が俺の前に顕現し、奴の放った毒蛇を思
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