黄巾の章
第12話 「それが『正義』ってやつだろ?」
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ち悪くて涙はにじんだかもしれませんが。
「まあいい。それより……降伏した兵を見て廻ったが、唐周はいなかったな」
「副官ですか……あの男なら恐らく逃げ出していると思いますが」
「悪い人間じゃなかったが……そうか。どこかでちゃんとした生き方をしてくれればいいが」
「そうですな……」
私達は知りませんけど、唐周という人がいたようです。
副官といっていたのでそれなりの人物だったのでしょうか?
「それはそれとして……朱里、雛里」
「「はい」」
「二人ともよくやってくれた……流石は天下の伏龍と鳳雛だ。ありがとうな」
そう言って盾二様が私達の頭を撫でてくださりました。
えへへへ……この為に私達は頑張ったんですよ?
「(ぼそ)えへへ……やったね、朱里ちゃん」
「(ぼそ)うん、やったね、雛里ちゃん」
私達がお互い紅い顔で笑い合います。
その光景を微笑みながら見ていた馬正さんが、服を着なおしながら立ち上がりました。
「さて、盾二殿。これからどうしますか?」
「ん? ああ……とりあえず捕虜にした黄巾兵は、都に護送してから他の黄巾の討伐になるな。なにか情報はあるか?」
「まあ、一応私は武将をしていましたので、他の部隊のおおよその場所や補給網、連絡先などは熟知しております。ただ……中枢のほうには顔つなぎがとれておりませんので」
「そうか……だが、黄巾の首魁が誰かぐらいは知っているのだろう?」
「は。張角と申す女性です」
「……やっぱ女性なのか」
「はい。張三姉妹と呼ばれる三名の長女です。次女の張宝、三女の張梁という姉妹がおりまして、今どこにいるかまでは……」
張三姉妹。
それが黄巾の、全ての元凶の名前なのですね。
「そうか。詳しいことは霞――張遼や馬超たちを交えてから話してくれ」
「御意」
馬正さんは、そう言って膝をついて礼を示します。
こうして盾二様の臣が、また一人増えたのでした。
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