黄巾の章
第12話 「それが『正義』ってやつだろ?」
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…馬仁義は心から喜んで顔を破顔させた。
「素晴らしい名前です! わかりました。この馬元義! ただ今より『馬仁義』として、義の為に貴方と共に歩むことを天地神明に誓います!」
「はは……よ、よろしく」
はあ……どうしてこうなった。
俺は、この人に死んで欲しくなかっただけなのに……
「と、とりあえず後で俺の臣である、諸葛孔明と鳳士元を紹介します。では、馬仁義……よろしくお願いします」
「貴方は兄であり主であるのです! 私に敬語など不要! どうか馬正とお呼びください!」
あー、うっとおしい。というか暑苦しい。
しょうがないか……
―― 鳳統 side ――
「というわけで新しく仲間になった馬元義改め、馬正だ。よろしくしてくれ」
「馬仁義と申します。よろしくお願いしますぞ!」
「はわわー!」
「あわわ……」
盾二様に褒めてもらおうと急いで戻ったら、おじさんが仲間になっていました。
というかこの人、あの砦の武将だったはずです。
どうしてこうなったんですか、盾二様。
「俺にもわからん……」
「はっはっは! 私は年長ではありますがここでは新参者です! お二方とも、何なりと申し付けてくだされ!」
なんでしょう、このおじさん。
私達を見て、顔を紅くして鼻息が荒いです。
……怖いです、盾二様。
「馬正。二人が怖がるからあんまり興奮しないでくだ……くれ。二人とも、一応悪い人間じゃないからそう怯えるな。これでもこの人に今後も着いていくっていう兵もいるんだ」
ご主人様の話では、この人の人望はそれなりにあったようです。
投降した黄巾の人が、この人を慕って義勇軍に入りたいと願い出たそうです。
その人たちの処遇を話し合った結果、棒打ち十回を耐えた者のみ罪一等を減じるとしました。
棒打ち十回は、下手をすると死人が出る数です。
それでもこのおじさんの下にいたいという兵は、実に五百人いたそうです。
しかも、このおじさん自身も棒打ちを十五回も受けたとのこと。
言われて背中を見せられましたが、背中の皮が破れ、肉が露出していました。
「い、痛くないんですか……?」
「私は元より頑丈なのです。流石に痛みはしますが、これも私の罪ですから」
そうは言いましたけど、流石にそのままにはできません。
すぐに朱里ちゃんと二人で傷の手当てをさせてもらいました。
「忝い……」
「治療すると言ったのに、自分の罪だといって断わってなかったか?」
「こんなかわいらしいお嬢さんに、涙ながらに治療するといわれれば断われませんよ」
別に涙ながらに……というわけじゃないですけど。
まあ、ちょっと背中の肉が赤黒く露出していたので、気持
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