江戸の街
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小次郎
いただいた訓練メニューをしていると父上がやってきました。父上の後ろには小さな女の子がいるようです。
「小次郎、悪いがこの子の面倒を見てやってくれ」
「はい、わかりました。私は小次郎といいます君は?」
「…………雪奈…………」
この子も私と同じなのでしょうか?
「この子、純粋な妖怪だから。気をつけてやってくれ」
「…………妖怪…………」
「っ」
父上の後ろでびくびくしている。
「大丈夫おいで、怖くないよ。仲良くしよう」
彼女は父上を見る。
「大丈夫だ」
「…………(こくん」
てくてくとこっちに寄ってくる。なので、頭をなでてあげる。
「♪」
「どんな妖怪なの?」
「…………ゆきおんな…………」
「そう、これからよろしくね」
「んじゃ、雪奈にこれを外ずさせるなよ。結構危なくなるから」
雪奈の首に綺麗な青い宝石がかかっていました。
「はい」
「そいつで、雪奈がこの江戸でも過ごしやすくしてあるからな。外して長時間いると死ぬから」
詳しい説明を受けると、どうやら雪奈の体温や力を調整するための物らしいです。これがなくなるとたちまち体調を崩すか、周りが凍ったりするそうです。そして、最終的には妖力が無くなって死んでしまうみたいです。
「はい。任せてください」
こうして、雪奈との生活が始まりました。数日たつと懐いてくれて、私の袖を持って、私の後をついたりしてくるようになりました。
吉宗
このごろ人気が出ている店にやって来た。その店は米屋がつぶれて買い取った後にできたようだ。しかし、潰れた経緯におかしな物を感じた。情報通りに繁盛しているようだな。
店に入ると若い良く似た双子の娘達が働いていた。
「「いらっしゃいませ。お食事ですか? 道具ですか? 染物ですか?」」
「食事で頼む」
「「ご案内致します」」
案内され目録をみると知らない料理も多数ある。
「抹茶と苺大福を頼む」
「「かしこまりました」」
しばらくすると、顔色の悪い元陰陽師の御庭番がやって来た。
「お待たせしました。抹茶と苺大福になります」
「そちらのお客様はご注文はお決まりでしょうか?」
「私は茶を一つ」
「畏まりました」
茶が届いた後話し始める。
「どうした、顔色が悪いが?」
「ここは、まずいです上様。先ほどの双子はかなりの妖力を持っています。それに、この店に張られている結界の強度や強さも異常なくらいです。今まで外に漏れていなかったので気づきま
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