4話 一条 京介side
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ああくそが! 時よ、足を休め、選ばれし者にのみ恩恵を与えよ! スロウ!」
悪態と共に魔法をもう何人目かわからない転生者にかける。
すると、たった今こちらに飛びつこうとしていた転生者の動きが急に遅くなる。
その転生者にスロウがかかったことを確認してからたこ殴りにし、その場から逃げ出す。
もうずっとこの調子で他の転生者に襲われ続けている。
なんか出会う度に「俺の嫁!」だとか「今助ければフラグが!」とか言って走り寄ってくる度に正体不明の悪寒を感じ撃退している。
だが正直そろそろ限界だった、体が子供になっているからか体力が以上に落ち、心臓が破裂しそうなほど脈打ち、いくら酸素を吸おうとしても浅い呼吸を繰り返すばかりで肺が痛い。
どこかで休息をとろうにも、土地勘がない場所で下手に行き止まりに行ってしまえばどうなるかわかったものではない。
更に変態に掘られそうになり、撃退のために魔法を連続使用。精神力がガンガン削られていくのを感じていた。
「ひるがえりて来たれ、幾重にもその身を刻め……ヘイスト!」
気力を振り絞り速度を上げるためヘイストをかけ走り出す。
自分が早くなったという周りが遅くなったような感覚の中、兎に角身を隠せる場所を探してかけずり回る。
街の異変に気づいてはいるのだろうか、どの家も固く戸を閉ざし、窓はカーテンが引かれている。
途中黒髪の男に銀髪の少年と黒髪の少年がゴミクズのように吹き飛ばされるのを見たが、かまっている暇はなかった。
「見つけた!」
ちっ! またかよ!
声のした方を向くと銀髪オッドアイがこっちに走ってくるとこだった。
「大地の怒りがこの腕を伝う! 防御あたわず! 疾風、地裂斬!」
同時に拳を地面に打ち付ける、その瞬間、転生者の足下から一部の地面ごと吹き上がった衝撃波が転生者を弾き飛ばす。
この調子で色々な技や魔法を使ってるうちに、俺が今使える術技を確認することができた。
まず攻撃魔法、これは基礎系しか使うことができなかった、つまりはラ系を含む上位系は使えなかった。
次に特技系、これは武器がないと使えないのが多く、今はとりあえず素手で出せるものしか使えない。
最後に補助・回復系、これは回復は攻撃魔法と同じく基礎しか使えなかったが、驚くことに補助系はほぼ使えた。
これはありがたいことだった、特に現在生き残れているのはこれのおかげと言ってもいいだろう。
単発しか打てない上、下手をしたら何回も使わなくてはいけない可能性がある以上、一度かければしばらく効果が続くのは実に使い勝手がいい。
とは言えこちらの所謂魔力が切れそうなのは変わりない、残念なことにアスピルは攻撃魔法系にでも分類されるのか使うことができなかった。
ドドドドドド
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ