4話 一条 京介side
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言うたけどお風呂わかしたし入ってきいや」
そう言えば俺ってば濡れ透けの泥だらけのままだったじゃん、流石に乾いてはいるけどやっぱ泥は落ちてないな。
「何から何まで本当にありがたい」
「気にせんでええよ、私もお客さんが来てくれたみたいで楽しいしな、ほな行こか」
優しさが身にしみるねえ。
そんなわけで、八神の車椅子を押して家の中を移動する。
なんつーか静かすぎるな、こりゃ八神意外にはこの家にいないっぽいな。
共働きで家にいないのかはたまた……、他人の事情に踏み込んでもしょうがないな、家庭の事情なんて他人が解決できるわけないんだし。
………恩人に対してこの対応が心苦しくないと言えば嘘になるが、下手に傷口を抉ったりするよりはましだろうと、半ば言い訳するように胸中で呟いた。
「ここやよ」
とそんな事を考えているといつの間にやら目的地についたのだろう、八神の声に反応して足を止める。
「服は私の貸したるから、安心して入ってきいや」
「うい、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
八神から私服を手渡され脱衣所へと入っていく。
というか幼女に私服を手渡される中身高校生な俺、やばい変態しゅ―――えふんえふんもとい犯罪臭がする。
ま、まあ小学生ぐらいなら男女の仕切というか溝も浅いし、服の貸し借りぐらい普通なのかなあ。
小学生低学年って髪型と着てる服で外見的性別が決まるしな!
などと言い訳を並べていると、手に持っていた衣類からぱさりと音を立てて何かが落ちた。
何が落ちたんだろ? とりあえず手に持っていた衣類を手近な場所においてから特に確認せず拾い上げる。
なんだろうね、この丸まった布は? 試しに両端を摘んで広げてみる。
それは逆三角形をした薄い布で、全体的に淡い桃色をしており、一部にリボンがついているのを除けば装飾は少ない、だが決して地味というわけではなくむしろそれが可愛らしさを出しているといえるだろう。
そうそれは女性ものの下着、平たく言えばパンツ、変態さん達には所謂パンティーと呼ばれるものだった。
「アウトーーーー!!」
所謂パンティーと呼ばれるものだった、じゃねえよ! 何冷静に解説しちゃってんの!?
「ど、どないしたんや!? 変態さんでもでたんか!?」
声に驚いたのか扉の向こうから八神の焦ったような声が聞こえる。
さて、ここで一度現在の俺の状況を振り返ってみよう、場所は人様の家の脱衣所、そこで恩人の下着を両手で広げている俺。
通報されても文句を言えない情景がそこにあった。
「大丈夫なん!? 家の中に変態さんがわいとったんか!?」
虫じゃないんだから。
「大丈夫! 大丈夫だから!!」
そう言いつつ素早
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