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トーゴの異世界無双
第八十話 さあ、どっちが勝つんだ?
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強くても二つ名が無いのは納得できる。


「だから二つ名があるお前が羨ましいとも感じる」


 ベニが微かに尊敬を込めた表情を向ける。


「む……そ、そうか……?」


 ミラニにとっては複雑な気持ちである。
 確かに二つ名があるというのは、登録者として、そして一角(ひとかど)の武人として誇るべきものだ。
 だが、自分に付けられている名前に納得がいっていない彼女としては、やはりどうも完全には喜べないのだ。


「私は今武者修行中なんだ」
「武者修行だと?」
「ああ、ある人物を探して旅をしている。その最中に、この大会の話を聞いた。そこで腕試しに参加したんだ」
「なるほど……ところで聞いてもいいか分からないが、探し人というのは?」
「村の恩人だ」
「恩人?」
「ああ、名も無き人物……分かっているのはその人物が持っている剣が『魔剣』だということだけだ」
「何だと!?」


 ミラニは目を見開きながら声を上げる。


「その『魔剣』は間違いなくあの『四魔剣(よんまけん)』の中の一つ……『魔剣ガラズ』だ」
「なっ!?」


 ミラニは今までで一番驚愕した。
 まさか、こんなところで『あの魔剣』の名を聞くとは思っていなかったからだ。


「その人は……私の村を救ってくれた。だが、その人は礼も受け取らずに去ってしまった。私は是非その人に会って、礼を述べたいと思い旅に出たんだ」
「……そうか……あの人らしい……」


 ミラニは目を細め微笑しながら小声で呟く。
 その声には懐かしさが滲(にじ)み出る。


「まさか、知っているのか?」
「……ああ、私の恩人でもあるお方だ」


 今度はベニが驚く番だった。
 まさか、自分の探し人に恩を感じている者がこうして目の前にいることが信じられなかった。


「ふっ……まさに運命か……」
「そうみたいだな……」
「もう一度、名前を聞いてもいいか?」
「ミラニ・クロイセンだ」
「……私はベニ。アクス村のベニだ」


 そうして再び二人は剣を構え合う。


「この闘いが終わったら、話し合いたいな」


 ベニが微笑しながら言葉を放つ。
 ミラニもそれに答えるように微笑み頷く。


「ああ、だが私は気分よく話したいのでな。ここは勝たせてもらうぞ!」
「それはこっちのセリフだ!」


 二人は互いに間を詰め剣で鍔迫り合いを行う。
 カキンカキンと小気味(こきみ)いい音が周囲に響く。
 力はベニが優っているように感じる。
 だが、技ではミラニの方が数段上のようだ。
 どうやら経験の差が出ているみたいだ。
 歳は同じでも、ミラニは幼い頃から闘いの場に足を踏み入れてきた。
 その上、闘悟に
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