第三十五話〜R2・ゼロレクイエム〜
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そして、ライはナナリーからダモクレスの鍵を受け取る。その際、ライはナナリーの手にダモクレスの鍵と一緒に握られているものに気付く。それはライの記憶を失う前にナナリーがライと一緒に折った、桜の折り紙であった。それを見たとき、ライは一瞬複雑な表情をするがすぐに皇帝としての表情に戻す。
ギアスの効果が切れたナナリーはライに向かって侮蔑の言葉を叩きつける。
「貴方は!世界と人を狂わし!全てを壊そうとする!その先に、何も残らないということも分からずに!」
立ち去ろうとするライにナナリーは罵倒を浴びせ続ける。ナナリーに背を向けるライの表情には悲しみが浮かんでいた。
そしてその場をあとにしたライは通信機を取り出し、部下にルルーシュを捕らえるように指示を出す。
それを聞いた六課メンバーは今度こそ、ライの考えがわからなくなった。
ダモクレスとそこに搭載されたフレイヤを掌握したライは事実上、世界を手に入れたも同然であった。
最後の戦いから2ヶ月後。日本ではあるパレードが行われていた。それは先の戦争での戦勝パレードであり、黒の騎士団を始めとする現皇帝ライに対する反乱分子の処刑パレードでもあった。その反乱分子の中にはルルーシュの姿もあった。そしてライは大きな櫓にも見える車両に座り、その反乱分子を見下ろしている。
そのパレードを観覧する市民は一同負の感情を抱えた表情をしていた。いまやライを認める人間はこの世界にはいなかった。
そのパレードの風景にシグナムは既視感を覚えると同時に胸騒ぎを覚える。
パレードが進む中、道の真ん中にある人物が現れる。それは英雄として、奇跡として、記号として扱われてきた存在、『ゼロ』であった。
ゼロは走り出し、護衛のナイトメアや兵士を掻い潜りライの前にたどり着く。そして腰に指していた剣を構える。
「亡霊が!」
ライは懐から銃を取り出すが、すぐさまゼロに弾かれてしまう。
そしてゼロは剣をライの心臓に向けて突き刺す。しかしその瞬間のライの表情は怒りでも憎しみでもなく、安堵と優しさに満ちた笑顔であった。
心臓を刺されているのにも関わらずライはゼロにしか聞こえないように言葉を告げる。
「ありが…とう…スザ…ク……後は……君…と……ルルーシュに……任せら…れる…」
「……ライ」
ライはゼロの正体を知っていた。それはライにとって最も信頼できる親友の二人の内の一人。そして彼は仮面の下で泣いていた。
「これで……僕も…やっと眠ることができる……」
その言葉を聞き、ゼロは剣をライの体から引き抜く。その際に軽く勢いをつけ、櫓のナナリーのいる位置にライが転がるようにする。
ライがナナリーの目の前で倒れる中、ルルーシュは必死に涙を堪えていた。なぜなら未だに
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