暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
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すぐに緑に輝く空気の渦が足元から巻き起こり、二人の体を包み込んだ。
視界は薄緑色に染まったが、外部からはほぼ完全に隠蔽されたはずだ。リーファはすぐ傍らの、唯一何も解かってないっぽいキリトを見上げ、小声で囁いた。
「喋る時は最低のボリュームでね。あんまり大きい声出すと魔法が解けちゃうから」
「「「りょーかーい」」」
揃って間延びした声を聞かせる三つの口が閉じた後で、全員の体を縮め込ませながら岩肌に体を押し付ける。
キリトは眼を丸くして風の膜を見回している。そのポケットから顔を出したユイも、興味深そうな顔をしながらひそひそと囁いた。
「あと二分ほどで視界に入ります」
緊迫した数秒が過ぎ、やがてリーファの耳にザッザッという足音が微かに聞こえてきた。その響きの中に、思い金属質の響きが混じった気がして、あれ?と内心で首を傾げた時────
「……まずいな」
リーファの胸のところにすっぽりと顔を覆われてしまっていたレンが、ポツリと呟いた。
申し訳ないが、体勢的に仕方がないこともある。さすがに少しだけ恥ずかしいが。
「何がまずいの?レン君」
「うん。あの足音からして、多分追ってきてるのはサラマンダー。索敵もせずにあんなに真っ直ぐにこっちに向かってきてるってのは、多分偶然じゃない。きっとあっちの中に結構なメイジがいて、そいつが僕たちにトレーサーを付けたんだと思う」
「…………う……そ」
絶句した。いやもう全てに絶句したが、何より驚くべきことは足音一つでここまで想定するレンの観察力だ。
確かに近寄ってくる微かな足音は、耳が良いケットシーならばはっきり聞こえるだろうが、そこからここまで連想するのは正直凄まじいの一言だ。
隣のキリトが、静かに口を開く。
「なぁ、とれーさーって何だ?」
「あ、追跡魔法よ。大概ちっちゃい使い魔の姿で、術者に対称の位置を教えるの」
「便利なものがあるんだなぁ。それは解除できないのか?」
「トレーサーを見つけられれば可能ですが、術者の魔法スキルが高いと、対象との間に取れる距離も増すため、このようなフィールドではほぼ不可能ですね」
立て板に水なカグラの説明を聞き、ほうほうと頷くキリトをとりあえず放って置いて、レンとリーファは話し合う。
「トレーサーは潰さないと、これからの道中もつけ狙われるわね。だけど、それだと相手にも気付かれちゃう」
「別にいいんじゃない?術者のメイジを倒せば、トレーサーも自動的に消えるでしょ」
「でも、ユイちゃんの話だとサラマンダーが十二人だよ。いくらレン君とカグラさんが強くても、無理なんじゃない?」
リーファが現実的にそう言うと、にやりと効果音が付きそうなくらいの不敵な笑みでレンは笑
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