暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
ルグルー回廊
[3/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
告ではなく、ルルルという電話の呼び出し音にも似たサウンドエフェクトだった。
リーファはハッと顔を上げ、後ろを歩く三人と一人に声をかけた。
「あ、メッセージ入った。ごめん、ちょっと待って」
「あ、うん」
「はいはい〜」
「分かりました」
立ち止まり、体の前方、胸より少し低い位置に表示されたアイコンを指先で押す。
瞬時にウインドウが展開し、着信したフレンドメッセージが表示された。と言ってもリーファがフレンド登録しているのは、不本意ながらレコンただ一人なので、差出人は読む前から判っていた。
どうせまた益体もない内容だろうと思いながら目を走らせる。だが────
『やっぱり思ったとおりだった!気をつけて、s』
書かれていたのはこれだけだった。
「なんだこりゃ」
思わず呟いたが、それで意味がわかるはずもない。
何が思った通りなのか、何に気を付けろというのか、そもそも文末の「s」と言うのは何なのだ。署名ならばRのはずだし、文章を書きかけで送信したのだろうか?
背後からレンが近付いてきて、どーしたのー?と間延びした声を聞かせる。その目の前にウインドウを指で持って行かせつつ、sで始まる言葉を口の中で転がす。
今度はキリトが訊いてくる。それに応えようとした時、彼の胸ポケットからぴょこんとユイが顔を出した。
「パパ、十二人のプレイヤー反応があります!多いです………十二人!」
「十二!?」
キリトがそれに対しての反応を言う前に、思わずリーファは叫び、絶句した。
通常の戦闘単位にしては多すぎる。スイルベーンからルグルーもしくはアルンを目指す、シルフ族の交易キャラバンだろうか。
確かに、月に一回ほどのペースで領地と中央を往復する大パーティーが組まれてはいる。
しかしあれは出発数日前から大々的に告知して参加者を募るのが慣例だし、朝に掲示板を覗いた時にはそのような書き込みはなかった。
しかし正体不明の集団であろうとも、それがシルフである限り危険はないし、まさかこんな場所に異種族の集団PKが出るとも思わなかったが、何となく嫌な感じがしてリーファはレン達に向き直った。
「ちょっとヤな予感がするの。隠れてやり過ごそう」
「しかし………」
カグラが周囲を見回し、言う。
「どこに…………?」
長い一本道の途中で、幅は広いが身を隠せるような枝道のたぐいは見当たらない。
「ま、そこはオマカセよん」
リーファは済ました笑みを浮かべ、三人の腕を取って手近な窪みに引っ張り込んだ。照れくささを押し隠して体を密着させると、左手を上げてスペルを詠唱する。
スペルワードを黙って聞いていたレンとカグラが、やっと気付いたように笑みを浮かべる。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ