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トーゴの異世界無双
第七十八話 これは目が離せねえ展開だな
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レイハーツの確かな絆を感じて、少し羨ましく感じたのかもしれない。
 そしていよいよ、第一回戦が始まる。





 ミラニは漆黒の鎧を身に纏(まと)い、最後に武器の点検をしていた。


「ふぅ……」


 いい緊張感に包まれていると感じる。
 体も変に硬くなってはいない。
 体調は万全だと言える。
 今回の対戦方式はバトルロイヤル。
 かなり変則的な闘いになる。
 それに自分は名が知れている方なので、もしかしたら昨日のヤーヴァスのように集中攻撃を受けるかもしれない。
 いや、その可能性の方が高いだろう。
 ミラニはそう思いクスリと笑う。
 望むところだ。
 闘いは厳しければ厳しいほど、達成した時、大きく自分を高められる。


 ミラニは闘悟に敗北を喫した後、これまで以上に厳しい修練を積んでいた。
 幾ら遠く及ばないほどの負け方をしたとはいえ、やはり悔しかった。
 一矢報(いっしむく)いることもなく敗れた自分を恥じた。
 まだまだ自分は弱い。
 自分の憧れるあの人にもまだ届かない。
 だから敗北が起爆剤(きばくざい)として発揮したのは、ミラニにとっては好都合なことだった。
 自分は今の現状に満足していては駄目だと理解させられたからだ。
 あの人に託された役目を全(まっと)うするためにも、もっともっと高みを目指す。
 そのためにも、今回の大会でさらに飛躍してみせる。


「……よし、行くか」


 ミラニは目に鋭さを宿して歩を進めた。


「時間になりました! それでは第一回戦の方々、よろしいですか!」


 モアの声が、参加者の三十人の緊張を上げる。


「『ヴェルーナ魔武大会』予選二日目、第一回戦! それでは……」


 昨日より確実に増している観客が、固唾(かたず)を飲んで見守っている。
 そして、三十人はいつでも攻防(こうぼう)できるように身構える。


「始めぇっ!!!」


 瞬間、誰かが動くものだと思っていたが、どうしたことか誰一人動かない。
 互いに武器に手を掛け、対戦者と一定の距離を保っている。
 昨日の一回戦とは違い静かな立ち上がりになった。


「これはどうしたことか! 誰も動きません!」
「恐らくですが、この中にチームを組んでいる者がいないのではないのでしょうか」


 モアの言葉を受け解説してくれたのはヒナの母親で、三賢人(さんけんじん)でもあるフレンシアだった。
 今までこのような静かな立ち上がりは無かったので、観客も現況に驚いている者が多数いる。


「ほうほう、すると、今回は全員がソロ参加者だと?」
「もしくは、しばらく様子見をしているだけなのかもしれないですね」
「なるほど、ではしばら
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