暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第21話 そうだ、王都へ行こう
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父上は全く動こうとしませんでした。埒が明かないので、無理やり引っ張って、魅惑の妖精亭に突入します。

「いらっしゃいませ〜」

 黒髪の6歳位の女の子が、明らかな愛想笑いを浮かべ頭を下げていました。その光景は、私の目にとてもシュールに映りました。

(お客が来なくなった原因は、スカロン店長だけでなく君にもあると思うよ。ジェシカ)

 私が一泊すると告げると、ジェシカは嬉しそうに料金を説明し始めました。(うん。やっぱりシュールだ)

「父上」

 結局財布の紐は父上が握っているので、決めてもらおうと視線を向けます。

「うむ。取りあえず一番良い部屋に一晩だな」

 ジェシカが嬉しそうに頷くと「ミ・マドモワゼル!! 一番の部屋に2名入ります!!」と、元気に声を上げました。意気揚揚と私達を部屋へ案内してくれます。部屋はそこそこ広く、調度品も決して悪い物ではありません。値段に比べて丁度良いか、むしろ少し安い位でしょうか?

 父上は案内してくれたジェシカに、銀貨を一枚渡しました。(これだけでチップ1スゥとは、太っ腹ですね)

 ジェシカは笑顔でお礼を言うと、部屋から出て行きました。私達は荷物を置くと、夕食を取る為下に降ります。

「あ〜ら、お客様如何なさいました〜」

 話しかけて来たのは、普通の格好?をしたスカロン店長でした。父上はその姿を見て、一瞬だけ身体が強張りましたが、すぐに平静を取り戻します。その時、心の底からホッとした様な表情をしていました。

「夕食を取りたくてね」

 平静になった父上は、何事も無かった様に答えました。

「でしたら、こちらがメニューで〜す」

 出されたメニューを確認すると、料理名が三つほど表記されていました。

「少ないな」

「少ないですね」

 スカロン店長はその言葉に、申し訳なさそうな表情をしました。私と父上は、取りあえず全て頼んでみました。出て来た料理は、見た目良しボリューム良しで値段の割に高クオリティでした。

「うん。美味そうだな」

「はい。美味しそうです」

 私と父上は、喜んで料理を口に運びました。期待通りの味が口の中に広がります。私達は料理を口に運ぶ事に、夢中になっていました。そしてすぐに料理は無くなってしまいます。追加注文をしようと、メニューに再び目を向けたました。

「少なすぎです」

「少なすぎるな」

 通常なら先の三品で、お腹いっぱいになっているはずですが、ドリュアス家の人間は全員健啖家だったりします。(やっぱり精神力が高いメイジは、燃費が悪いのでしょうか? タバサやルイズの例もあるし)仕方が無いので、同じメニューをもう一度頼んで食事を終了します。スカロン店長は、私達の食べっぷりに驚いていました。


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