暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第21話 そうだ、王都へ行こう
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あ今夜だけ宿を取って、後は資料室に泊まりこめば良いか」

(……父上。無計画すぎです)

 私は思わず心の中で、突っ込みを入れてしまいした。しかしこれならこれで、私に都合が良いです。私は住所を書いたメモ書きを、父上に渡しました。

「魅惑の妖精亭と言う酒場です。宿屋もやっていますので、利用出来るでしょう。タルブ村の関係者がやっている所なので、信用も出来ると思います」

 私の言に父上が頷きました。

「ではそこにしよう」

 父上は場所が分かるのか、サクサクと歩いて行きます。私はレビテーションで浮かせた荷物を、引っ張りながらついて行きました。ほどなくして魅惑の妖精亭に到着しました。

(あれ? 中から人に気配がしないな。……この時間は、混雑している時間帯だと思うのですが)

 私は不審に思い足を止めてしまいました。しかし父上は気にした風でも無く、魅惑の妖精亭の入口をくぐろうとして、……何故かUターンして戻って来ました。

「父上? ……速く宿を取りましょう」

「イヤダ。もう領に帰る。領に帰ってシルフィア抱く!! フフフフッ……シルフィア今夜は寝かせないぞ〜」

(あれ ?父上が壊れた? うわぁ、何か目が虚ろです。一体何が……)

 その時父上の口から、何か言葉が漏れ始めました。聞きとろうとした所で、女の子の叫び声で中断させられます。女の子の叫び声は、どうやら魅惑の妖精亭の中からの様です。

「お父さん!! もうその格好止めて!! また御客さん逃げちゃったじゃない」

「ダメよ〜。ジェシカ。仕事中は〜、ミ・マドモワゼル。それ以外は〜、パパでしょ〜う」

「いいから脱ぐ!! 数少ないお客さんも逃げちゃうじゃない!!」

「あっ!! ダメ!! そんなに引っ張ったら魅惑の妖精のビスチェが!!」

「良いから脱げー!!」

「そんな!! 娘に脱がされちゃうなんて〜!!」

 ……状況は良く分かりました。先程から父上の口から「私はノーマルだ。シルフィアを愛している。私はノーマルだ。シルフィアを…………」と、繰り返される呟きの原因も良く分かりました。

「父上。大丈夫です。父上が見たのは、魅惑の妖精のビスチェです。魅了の魔法効果があるビスチェなだけです。安心してください。父上」

「それは本当か?」

 私が大きく頷くと、父上はマジ泣きし始めました。父上の口は「良かった!! 良かった!!」と、繰り返し唱え始めました。(相当嫌だったみたいですね)

 暫くして父上が落ち着いた頃、中から「これなら良し!! さあ、稼ぐわよ!!」と聞こえました。どうやら中はもう安全の様です。

「父上。中の精神汚染空間は消滅した様です。もう中に入っても安全です」

 私の言葉に頷きはするものの、
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