暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第21話 そうだ、王都へ行こう
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せん。

(訳有りでしょうか?)

 そう思って資料をめくると、それはすぐに分かりました。

 鍛冶職人サムソンは、娘のアニーと弟子であり甥のパスカルと貴族から逃げていたのです。理由は娘のアニーでした。まだ13歳のアニーを、貴族が差し出せと脅して来たのです。それが如何いう意味か、分からないサムソンではありませんでした。妻を早くに亡くしたサムソンには、とても承服できない事でした。パスカルは早くに両親を亡くし、サムソンを父の様にアニーを妹の様に思って、大切にしていたそうです。当然の様に、パスカルは逃げる事を強く主張。サムソンが同意し、アニーが押し切られる形で夜逃げを敢行。しかし逃亡中に手配がかかり、追い詰められた所でマギ商会の人間が助けたそうです。

 資料の最後には「ドリュアス家が拒否した場合、この家族は逃がします」と、書かれていました。しかし資料の日程を逆算すると、既にこちらに向かって護送中です。(絶対に断らないって確信してるな。……そうだけど)

 私は父上と母上に資料を見せ、一応の了承を得ると、速く連れて来るように指示しました。



 鍛冶職人を出迎えられないのは残念ですが、いよいよ王都に向けて出発です。原作知識では、狭くてあまり良い所では無いと言う印象がありますが、初めての王都なのでやはり楽しみです。

 王都と言えば、『魅惑の妖精』亭ですね。タルブ村関係者の店でもありますし、原作キャラのジェシカにも会ってみたいです。後怖いもの見たさで、スカロン店長にも……。王都の情報を集める為にも、木炭コンロと炭でもプレゼントするのも良いかもしれません。(何か利用するみたいで、ちょっと気がひけますね)

 取りあえず、父上に王都の印象を聞いてみました。

「父上。王都は如何いう所なのですか?」

「そんなに良い所では無い。ごみごみしているし、表通りにはいないが浮浪者も多い。ハッキリ言って、ドリュアス領の方が何倍も豊かだ」

 父上は誇らさと憂いが混在した、微妙な表情をしていました。

(今が4月(フェオの月)末だから……調べる物を調べて、来月(ウルの月)中か再来月(ニューイの月)頭には帰還したいですね)

 私はそんな事を考えながら、父上のグリフォンに跨り父上の背中にしがみつきました。帰りに資料を詰め込む大型ボックスには、結局木炭コンロと炭がぎゅうぎゅうに詰まっています。



 朝早くにドリュアス領に出発して、到着したのは夕刻でかなり暗くなっていました。(グリフォンに乗り1日か、馬だと2日と行った所でしょうか?)そんな事を考えていると、父上の足が突然止まりました。

「ギルバート。今夜からどこに泊まろう? 良く考えたら、公爵の別邸は現状では色々と不味い。金もあまり持って来ていないし。……ま
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