誓いの言葉
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が慌てた様子で訓練所に入ってきた。
「どうしたんだ?」
「さっき、トラが見たらしいの! 森の方で救援要請の狼煙を!」
その言葉で全員の顔に緊張が走った。
「トラはもうすぐ道案内の準備が出来るって! だからすぐにお願い!」
ヴォルフはそれに頷くと訓練所を出ようとし……
「俺達も行くぜ」
正太郎に呼び止められた。
「その装備にまだ慣れていないだろう」
「そうですね。でも、ヴォルちゃん一人で行かせられません」
「さっきの誓いを忘れたの? 万一、アンタに死なれたら困る」
「そうだよヴォル君!」
ヴォルフの言葉に、夏空、小冬、神無が次々に反論する。
「武器にはまだ完全に慣れてなくてもよ、修行の成果ぐらいは見せられるぜ!」
「ヴォルフ君。お願い」
「ヴォルフさん。私も行きたい」
正太郎、梓、椿も訴えてくる。
「良いだろう。ただし、お前達は纏まって動け。俺は遊撃として動く」
「了解!」
正太郎が返事をすると全員が頷いた。
「準備できたニャア!」
トラと呼ばれたアイルーが、何人かのアイルーを連れて報告に来る。
「行こうか」
ヴォルフがそう言ってトラに出発を伝えようとすると、神無がヴォルフの服を引っ張った。
「ね、ヴォル君さっきの誓いの事なんだけど……」
「あれがどうかしたか?」
「もう一度……いえ、ここで改めて誓いませんか?」
ヴォルフが聞き返すと、夏空が答えた。
「私達は必ず戻る。それはね……」
「私達全員で誓ってこそ意味があると思うの」
「思うの〜」
小冬が言い始め、梓がその言葉を最後まで告げた。
「へえ。良いじゃんそれ。縁起を担ぐっつうかさ」
正太郎はノリノリのようだ。
今は一刻を争う時だ。だからこそ、ヴォルフは皆に振り返って言った。
「そうだな。なら神無、言い出したのはお前だからな、それらしく頼む」
「ええ!? 私!?」
ヴォルフの突然の言葉に神無は大いに驚いた。
「俺にはソレらしいやり方がわからないからな。任せる」
「う〜ん」
神無は恥ずかしそうに皆を見渡していると閃いたようで、腰の後ろに納めたハイドラナイフを抜いて天に掲げた。
「良いですねえ〜」
夏空は意図を察したのか、青熊筒を同じように天に掲げた。
「フフフ」
小冬は静かに笑いながら右手に二刀を重ねて持って、同じように掲げた。
「良いじゃない。こういうの一回やってみたかったのよね」
梓が弓を背から降ろし、矢筒から矢を一本採ると弓と一緒に右手に握って天に掲げる。
「何かカッコイイ」
椿は嬉しそうにハンマーを両手でしっかりと掲げる。
「良いね良いね! 燃えるじゃねえか!」
正太郎がガンランスを天に掲げる。
「……誓いをここに」
ヴォルフが言いながら鯉口を切り、刀を天に掲げ
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