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形而下の神々
10日間の小さな行軍記
行軍2日目〜前編〜
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ちゃってる。そして俺だけアウェイだ。

 すると、グランシェはマントからマンゴーシュと鉄の棒を取り出し、鉄の棒を俺に渡してきた。

「これを右手に持て」
 言われた通りにする。

「短剣は左手に、逆手で持て」
 これまた言われた通りにする。


「血の付いた小石を敵に当てたら、右手の鉄パイプで距離を測りながら戦え。そんで、適当な頃合いで敵の後ろに回り込んで、短剣を力一杯ブッ刺すんだ」

「お、おう!!」

 要するに、まずは敵に血の付いた小石を当て、公式を使う準備を整える。
 次に、長い鉄パイプで敵との間合いを計って軽く戦う。
 最後に、適当な頃合いでいきなり背後に瞬間移動し、怯んで隙が出来た敵の背中にマンゴーシュをグサッ!!

 ヤバい、グランシェに言われた事は分かったが俺にそれを実践する技量が有るかどうか……。

 もし無ければ……。その後の事は考えないでおこう。
 なんて考えているうちに足音がだんだんと近付いて来ていた。


「ありゃあデュアドだね」

 すして、敵が視界に入るなりシュナウドが呟く。

 第一印象は巨大なダチョウ。ただ、ダチョウより遥かにデカい。全長は5mを超えているだろう。

 そして……。

「カラフルッ!?」

 赤、青、緑。本来は白黒が似合うそのフォルムに3色の羽はカラフル過ぎて目が疲れる。
 そんなヤツだが、嘴には馬をくわえていた。

 多分、先遣隊の誰かのモノだろう。馬に乗ってた傭兵は……。
 俺はブルブルと首を振って鉄の棒を片手で構えた。

「タイチ、格好だけは様になってるよ」

 シュナウドがまさかの軽口を叩く。実はこいつ、クールぶってたけどお喋りさんなんじゃないか?


 そんな事を考えていると、目の前で2人の傭兵がダチョウの脚に切り掛かるが、1人は嘴に貫かれ、もう1人はヤツの爪の垢と化していた。あそこであの傭兵さんに倒しておいて欲しかった。

「チッ、こっちに来るぞ」

 グランシェが言うと、確かにヤツの眼球は俺達……ってか俺を見ていた。何だかガンガン目があっちゃってる。

「って俺狙いだね……」

「どんまいタイチ、タイチの事は忘れない」

 またもやシュナウドの軽口。

「だから死なないって!!」

 そう叫んで決死の覚悟を奮い立たせると、血の付いた石を持って思いっきりダチョウに投げた。

「グエェッ!!」

 石はダチョウが顔面を下げた時に顔面にクリーンヒット!!
 俺の腕もまだまだなまってはいないようだ。

 そして、これでヤツの顔には俺の血が付いた。その顔を中心に、俺は瞬間移動が出来る。

「グエェッ!!」

 ダチョウの一鳴き。そして馬を咥え、傭兵を一撃で肉塊に変え
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