10日間の小さな行軍記
行軍2日目〜前編〜
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かげ。亜人は公式の代わりにそれぞれの神様の力を使う」
なるほど、そういう解釈な訳ね。じゃあ、炎の神様だったら火とか吹けちゃうんだろうか?
ココは割と宗教的な分野なのですんなり吸収できる。
「じゃあ亜人が神器とか持ったら最強だね」
冗談っぽく言ったが、マジでそんなやつが出たら大変だな。
「人間には公式がある。数もある。だから、一種類の力しか使えない亜人は人間の下位種として見なされている。勿論、神器なんて亜人に死を与えるものとしてしか使われない。タイチは馬鹿なの?」
ほぉ、なるほどね〜。亜人さんは数が少ないんだ。しかも人と違ってその能力は方が決まっていて幅の広さが段違いに狭い。
だから歴史の中で迫害されてしまったと。
「ん〜、まぁ世間知らずなんだよ」
なんとなくごまかしてシュナウドの声に応答した。
亜人は弱いんだ。現代でも文明的に弱い先住民は迫害を受けてきた歴史がある。みたいな感じだろう。
しかし少し違うのは、ここでは亜人は奴隷とはなっていないという事だ。いや、もしかしたら亜人も人間も、レミングス達みたいに見た目には区別できないだけなのかも知れないが。
亜人の見た目について聞きたいのは山々なのだが、いい加減ごまかすにも限度があるのでもう質問はやめにした。
「ところでシュナウド」
また俺が話題を変えようとすると、今度は俺の言葉を遮ってシュナウドは声を出す。
「……もう良いでしょ、俺はタイチと話したくない。しかもここは危ない」
「……危ない?」
呑気にオウム返しをかましていると、街道の向こうからドタドタと先遣隊が帰ってきた。
「ま、魔物が出たー!!」
とか叫びながら。
「シュナウド君は隠れて!!」
とっさにそう叫ぶ。魔物が出たと言って彼らが引き返してきたということは、敵は先遣隊……傭兵6人掛かりでも倒せないということだ。
子供達には隠れてもらうより他無いだろう。
「何言ってんの? タイチこそ無理しちゃだめだよ」
が、何故かシュナウドは既に臨戦体制。アホかこいつは。
俺も短剣を抜き、バックパックから血の付いた小石を取り出した。
気付けば隣には既にグランシェの姿がある。なんか……頼れる感じがして泣けて来たし。
「タイチ、この奴隷は何だ?」
「戦うらしい」
グランシェはシュナウドを見ながら言ったが、俺は敵が恐いから街道の先しか見ていない。
「おいボウズ……良い鍛え方してんな」
グランシェはシュナウドを見るなりそう言った。シュナウドもそれに対して割と上機嫌で返す。
「おっちゃんは人を見る目が有るみたいだね、傭兵の中では一番強そうだ」
シュナウドとグランシェはなんか分かりあっ
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