第五十八話
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たちダーナ=イザーク軍に突撃を計ろうとしたが、そこは先ほど重装斧騎士団が弓箭隊に散々撃ち込まれた場所にほど近いことを彼らは知らなかった。
……隊列を整え、隊の方向を変えようとしたその時、散々に矢が撃ち込まれた。
これはあらかじめ指示してあったことでは無く、現場の即興であった。
そもそも、丸腰の重装斧騎士団を進撃中の魔道騎士団にぶつける事自体が即興の策ではあったのだが。
ばたばたと倒れる僚友の姿に茫然としているそこへ、弓箭隊の護衛となっていた軽騎兵が襲い掛かる。
たまらず魔道騎士団の右翼は潰走し、ここに魔道騎士団の機動戦力は崩壊した。
ブリギッド、それにヴォルツとベオのいい仕事ぶりに安心し、今、まさに別働隊が奮戦中であろう敵の本陣へと突撃をかけた。
敵の騎兵も、遮る重騎士団も見当たらず、彼らの戦力ならばこの状況で押し寄せる敵部隊には隕石落しを行うのが常道のはず。
……それが起きない理由としては、あらかじめマリクル王子率いる別働隊は段丘に潜み、騎兵の突撃を見届けたあとに本営へ斬り込み、砲台とも言うべき魔道戦士団と交戦中、あるいは既に殲滅を果たしたからであろう。
マリクル王子率いる別働隊には、エッダからの居残り使者が労を惜しまず作成に当たってくれた聖水を優先して配り、対魔法への備えとしていた。
こちらも聖水を使い、次々と魔道戦士を切り伏せながら奥へと進んで行くと、マリクル王子と合流した。
既に本陣の周囲はこちらの部隊で包囲が進みつつあることを説明し、厚い防御陣をようやくの思いで突破すると………
床几に腰を掛けた赤髪の美丈夫の姿があり………………ワインレッドの法衣を纏った、けわしい表情を浮かべた老人を目にして俺は思わず叫び声を上げた。
「マンフロイ! 貴様を……倒す!」
「! ……何者かは知らぬが、魔将フぇアズーフ! この者らを皆殺しにせよ!」
頷くと赤髪の美丈夫たるアルヴィス……魔将と呼ばれていた……は、立ち上がる。
マンフロイは慌てて立てかけてあった杖に手を伸ばした。
「させるか!」
構えた槍を思い切りマンフロイに投げつけた………
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