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トーゴの異世界無双
第七十三話 第一回戦決着したぜ!
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 水弾(すいだん)のせいで発生した霧のようなものが次第に晴れていく。


「なっ! ば、馬鹿なっ!?」


 カンクは目の前の光景を見て驚愕する。
 そして、そこに立っている人物を凝視(ぎょうし)する。


「……残念だったな」


 それは間違いなくヤーヴァスだ。
 無傷でその場所に立っている。
 だが、彼の目前にはまたも地面が盛り上がっている。
 ただ先ほどと違うのは、手のような形をしていることだ。
 まるで何かを握りつぶしたように拳を作っている。


「ぶ、無事だったぁっ!!! さすがは『魔剣』の使い手ヤーヴァス選手!!!」


 モアが言葉に熱を込める。


「あの手形の土で、水弾を防いだのでしょう」


 フレンシアが矢継(やつ)ぎ早(ばや)に解説をする。


「大地に水は効かない」
「く、くそっ!」
「お前はまだ若い。これからも励め」


 そう言うとヤーヴァスは一瞬で間を詰める。
 魔力で身体能力を強化する。
 その速さで、魔力の高さも窺(うかが)い知れる。
 そして、彼はカンクに一撃を与え眠らせる。
 剣を鞘に納めるとそれを確認したモアが声を張り上げる。


「き、き、決まったぁぁぁぁっ!!! 第一回戦の勝者はヤーヴァス選手です!」


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