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†††Sideなのは†††

翠屋は基本、年中無休だけど、連休の時は店を他の店員さん達に任せて、高町家は家族旅行に行くことがあります。今回の旅行、近場で2泊が出来る場所ということで海鳴市の郊外にある温泉旅館、山の宿さんへとやって来ました。
参加するメンバーは私、私のお父さんにお母さん、お兄ちゃんとお姉ちゃん。そしてユーノ君。お友達のすずかちゃん、すずかちゃんのお姉さんでお兄ちゃんの彼女さんでもある忍さん、そして月村家のメイドのノエルさんとファリンさん。最後にアリサちゃん・・・なんだけど、集合した時からずっと気になってることがある。

(アリサちゃん。なんか元気がない・・・というより疲れ果ててる?)

お話すればちゃんと乗ってくれるし、笑ってくれる。だけど、なんかこうゲッソリしてる。すずかちゃんも気付いてるみたいで「アリサちゃん。体、調子悪かったりする?」心配してる。

「え? あー、だいじょぶだいじょぶ。ちょっとペットが言うことを聞かなくてね・・・」

「ペットって。アリサちゃん家のワンちゃん達だよね?」

すずかちゃんがそう確認した。アリサちゃん家には犬が10匹ほど居るんだけど、その子たちは頭が良いからちゃんと言うことも聴く。そんな子たちがアリサちゃんの言うことを聴かないとなると、考えられる原因は・・・

「きっとアリサちゃんが何日も家を空けるって判って寂しかったんじゃないかなぁ」

「ふふ。なのはちゃんの言う通りかも♪」

すずかちゃんと一緒に笑ってると、アリサちゃんは「違うわ。最近拾った子よ」って言って小さく溜息を吐いた。初耳だった。「え? 新しい子を飼い始めたの?」すずかちゃんと一緒に盛り上がる。もう、教えてくれれば良かったのに。アリサちゃんも人が悪いなぁ。

「ねえねえ、どんな子? 大型? それとも小型?」

「はぁ。犬じゃないわ。ついて来るなって言っても聴きゃあしないし、荷物に紛れ込もうとするのを阻止するだけで疲れたし、家を出る時でも、連れてけ!!って喚いていたし」

「「ええ!? 喋るの!?」」

(連れてけって言った!? 喋る動物って何!? アリサちゃんは一体何を飼い始めたの!?)

あ、もしかして喋っているように聞こえる鳴き声を出す猫とかかもしれない。うん、きっとそうだよ。落ち着いて自分に言い聞かせていると、アリサちゃんが「ま、アイツらのことはどうでもいいわ。せっかくの温泉旅行だし、楽しまなきゃ損だしね」って話を切上げちゃった。でもアリサちゃんの言うことには賛成できるから、「そうだね」すずかちゃんと一緒に賛成する。

『なのは』

『ん? どうしたのユーノ君』

『なのはも最近は大変だったんだし、この旅行の間くらいはジュエルシードの事を忘れて、ゆっくり休んでね』


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