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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第八話
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ェス。どの事務所とも契約していないアマチュアバンドのみ参加可能なロックフェスの中では、日本において最大規模を誇るといわれる中の一つ。特徴は、演奏するのはカバー曲のみという縛りでありながら、物販で自身のオリジナルCDを販売できることだろう。普段はゆっくりとした時間が流れるこの街も、この時期だけは慌ただしく、かつ騒がしくなる。あちこちに屋台が立ち並び、海の家もパラソルとテーブルを臨時で出したりと規模を広げていく。町おこしで始めたイベントで、これを目当てに他県から観光客がたくさんやってくるという、一年の中でも数少ない稼ぎ時だからだ。
そんな夜の街を、やけに機嫌よさそうに歩く一人の青年がいる。以前竜二と顔を合わせた彼だ。
「ふーん。そんだけの祭りがあるんならそりゃ人が集まるわな。ってことは、いい女も集まるんだろうなぁ」
「旦那、えらくニヤけてるが、あまり騒ぎを大きくすると局の連中が来るぜ」
「せっかくの休暇だぜ?派手な騒ぎにさえならなきゃ問題ねぇさ」
「休暇ってのとは違う気がするけどな……痛い痛い!旦那の握力シャレにならねぇんだって!」
なら黙ってろと右手で銀のブレスレットを握り込みながら自らの相棒に釘を指すのは、以前竜二と鉢合わせた赤髪の青年。暑いからか流石にレザージャケットは着ておらず、赤地に文字が様々な色でプリントされた半袖Tシャツにシルバーネックレスを通し、黒いスリムタイプのダメージジーンズに白いスニーカーという出で立ち。
「ていうかお前、サボってねぇだろうな?」
「ああ、まだ見つからねぇ。いつまでかかるかも不明だ」
「ったく、これだからアンティークは……」
「いくら俺様でも時間を食うときは食うの」
「泣き言はいいから探せチートの塊」
「旦那に言われたらおしまいだぜラスボス」
「砕かれたいか?」
「だからやめてやめて痛い痛い!」
昼間はそれなりに賑やかではあるが、嵐の前の静けさというものなのか夜はすっかり静かになる。しかしそれでも街に流れる静かな熱気のような期待感に溢れるこの空気が、彼は嫌いではなかった。左手にウイスキーの瓶を持っているところを見ると、歩きながら酒を飲んでいるのだろう。酒で火照った体を夜風で冷まそうというところか。
「流石にこっちで泊めてくれそうな知り合いはいねぇからな」
「だからホテル一ヶ月分まとめてとっちまったんだろ?」
「まぁな。ビジネスホテルだから問題なかろう……ん?何の音だ?」
「何か聞こえるな。言ってみるか、旦那?」
「ああ」
そして青年が音に誘われた先には、5人ほどの男女グループが公園にいた。楽器を抱えているところを見ると、サマフェス参戦予定バンドだろうか。
「ほう、よく知らないがなかなかいい曲を演るじゃないか」
「わかるのかい旦那?」
「お
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