GGO編ーファントム・バレット編ー
51.本戦直前
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》、それに.......《スティーブン》と......《リューゲ》かな」
シノンがぎこちなく読み上げた名前、俺もウインドウで確認する。
スティーブン.......こいつが《死銃》......
「......どうしたの?」
少し心配そうな表情で俺を見てくるシノン。
「あ......うん.....ありがとう....」
曖昧な返事で返す。
キリトにスティーブンのことを話そうとするが、シノンをこのことに巻き込むわけにもいかない。
俯きながら死銃のことを考えていると視界に白い手が映り込む。顔を上げると、シノンが細めた両眼でじっと睨んでいた。
「......急にどうしたっていうのよ。名前を聞いてから何か考え込んで。なに?あんたたちは、私をいらつかせて本大会でミスさせようって作戦だったの?」
「違う......違うんだ。そうじゃなくて......」
キリトも同じく言おうか言うまいか考えこんでいる。
考え込んだ末に俺は思い口を開く。
「シノン......。詳しいことは言えないけど.......ボロマントの奴には気をつけてくれ。そいつにあったらすぐに逃げろ」
「はぁ.....?何いってんの、あんたは?」
俺はシノンの白く小さな手を掴み真剣な眼差しで藍色の瞳を見る。
「........頼む.......」
シノンは急に手を掴まれて動揺し、その後に俺の手を弾く。
「何かあったの?」
重い口を開く。
「あぁ......これも詳しくは言えないけど俺とキリト.....そしてそいつは......以前本気で殺しあった」
その言葉にシノンの大きな眼がより一層開かれる。しばしの沈黙のあとにシノンの低い呟きが耳にはいる。
「........『もしその弾丸が、現実世界のプレイヤーをも本当に殺すとしたら、それでも君は引き金を引けるか』」
「「..........!」」
俺とキリトは息を呑む。
さらなる沈黙の中で、シノンは小さく唇を動かす。
「あなたたち.......、キリト、シュウ、あなたたちもしかしたら、あのゲームの中に......」
俺たちは無音の問いかけに答えぜともわかってしまう。
「.........ごめん。訊いちゃいけないことだったね」
「........いや、いいんだ」
「.......いいんだよ。あれはもう終わったんだ」
《ソードアート・オンライン》の元プレイヤーということがわかったことで俺たちが、本気で殺しあったってことが示す意味がシノンにもわかってしまった。
シノンは両眼をぎゅっとつぶって、唇の震えを噛み締め、細く息を吐いてから、仄かな笑みを浮かべ、囁く。
「......そろそろ、待機ドームに移
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