暁 〜小説投稿サイト〜
イナズマイレブンGO AnotherEdition
第1部 シード編
第2話『シードとなれ』
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「終わりだ!」

千載一遇のチャンスを逃し、体力もすでに限界。本来ならこの時点で大抵は諦めるだろう。だがそれでも、今の彼に諦めると言う言葉などない。

「取る!」

「ちぃっ!しつけぇつってんだよッ!!」

再び前に立ちふさがる龍野に磯崎はボールを強く踏みつけ、急激に力を加えられたボールはまるでブーメランのような形状に変形する。

「ブーメランフェイントォッ!」

ブーメランのように変形したサッカーボールを足に掛け、それを投げ、戻ってくるボール見事に取り、龍野を避わす。その瞬間、終了を意味するホイッスルがその場に響き、タイムアップとなる。

「!」

「ハァ……けっ!これが実力差って奴だよ」

息を整え、悠々とその場から立ち去っていく。結局かすりはすれどボールは奪い返す事が出来ず、悔しさに歯を食いしばる。




「やはりこの訓練は早かったか?」

試合を終えるなり、水の入ったボトルを投げ渡しながら龍野に声をかけるイシド。負けたこと以上に試合時間の9割以上、磯崎がボールをキープしていたのがとても悔しく、その龍野の気持ちは見るだけで読みとれた。

「次は、俺!絶対勝ちます!!」

「……今日の試合の様にどこまでも喰らいつくような勢いがあれば、必ず行ける」

「はい!」




「(最後で最後で磯崎に技を使わせるとはな)」

試合の行く末を見届け終えると、立ち上がり浪川もまたその場から立ち去って行く。










「だからさ〜今日会ったシード候補の喜峰達が入れば、俺達海王学園は全員シードって事になるから、全員が驚異的な身体能力有したシードならもう俺達無敵じゃね?あ〜あ、勝敗指示がなけりゃ俺達優勝狙えんのにな」

「湾田、俺達はフィフスセクターの指示を守るだけだ。それがシードとして誇りだ」

「わぁてるよ、浪川キャプテン」

訓練も終わりの時間。続々とその場から立ち去っていく選手達。湾田達も3人もまたその施設から帰ろうとしているが、道中サッカーボールを蹴る音が聞こえてくる。

「ん?あいつまだやってんのか?」

「もう訓練終わってんのに、残って自主練とは真面目だね〜」

「……」

ひたすらにボールを蹴り続けるその様子を浪川だけは黙って見ている。


「ま〜た浪川、あいつの事気になんのかよ?」

「……そんな所だ」

「お前がそこまで気にしてるとは珍しいな」

「別に、野郎ども先に行ってろ」

「またそれかよ?まっ、お好きなように。当初の予定は済んだし、俺は帰るぜ」

「俺もだ。先に行っとくぞ」

「あぁ」

出口に向けて歩きだす湾田と井出達とは別に、浪川は逆方向に向けて歩きだす。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ