第七十一話 第一回戦が始まったぁ!
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(こうし)することができるということだ。
「で、でも一人を大勢でなんて……」
クィルが眉を寄せて身を少し縮める。
彼女の言うことも分かる。
確かに仲間などいないソロの参加者には辛い闘いになるだろう。
見ようによっては卑怯と捉えられても不思議ではない。
集団で一人を襲っているのだから、決して見栄(みば)えは良くない。
だが、これも闘いだ。
実戦に卑怯も何も無い。
それどころか、チームの力を合わせて闘うことは、魔物との命を懸けた戦いには不可欠だ。
このシステムを聞いた時、ギルバニアの思惑(おもわく)にピンときた。
この大会で、こうしてチームワーク力があるギルドパーティの存在を知ることができる。
また、ソロで一番に狙われる強者の存在にも気づける。
各国の代表者達が、そうして見つけたパーティや強者を、自国に引き抜くためのシステムだとも言える。
もちろんギルバニア自身も、隙あらばスカウトして、自国の利益を獲得しようとするだろう。
基本的にギルド運営は国が支援する。
ギルドに強者が集うと、それだけ危険な依頼が多く転がり込む。
危険である依頼ほど高額の報酬が発生する。
そしてその報酬の一部分が国に納められ潤(うるお)っていく。
強者のギルド登録者を得ることが、国の栄(さか)えに繋がっていると言っても過言(かごん)ではない。
だからこそのバトルロイヤルシステムなのだ。
それを理解していないクィルには悲惨な光景に映るのかもしれない。
「なあクィル」
「な、何ですか?」
「確かに多対一(たたいいち)は不利……になることもある」
「……普通そうなのです」
「でも、見てみろよ」
闘悟は顎(あご)をしゃくってバトルを見ろと促す。
クィルは闘悟の言う通り視線を向ける。
そこには驚くべき光景が広がっていくことになるのを、クィルは知ることになる。
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