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真剣で武神の姉に恋しなさい!
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ませてくれ!」

 百代は挑戦者である黒外套を煽る。

「……まったく。相変わらずな戦闘狂ねお前は」

 次に動いたのは黒外套の方だ。彼女も百代と同じく一気に距離をつめる。

「それはさっき私がやった。見切れないとでも思うか?」

 近づいた黒外套に対し百代は右足で蹴りを繰り出す。

 しかし百代の右足は空を斬る。

「こっちよ」

「なに!?」

 黒外套がいたのは百代の真後ろ。

 百代が千李を認識した時にはすでにとき遅し。

 百代の体に衝撃が走る。

 後ろに回った黒外套は百代のわき腹に容赦ない蹴りを放った。

「ぐあ!!」

 百代はその蹴りで吹き飛んだ。



 大和たちは驚愕していた。

 今まで挑戦者を相手に一度も劣ったことはおろか負けたところを見たことがない最強の武神の姿を大和たちを見てきた。
 
 しかしそんな彼女が目の前で圧倒されている。

「み、京さっきのあの人が姉さんの後ろに回ったの見えたか……?」

「ううん……。見えなかった私も弓術やってるから目はいいはずだけど全然見えなかった」

 京は首を横に振った。

 京は百代が戦っている時なども百代の動きをよく観察し拳などが何発放たれたかなどをよく見ている。

「まじかよ!?京でも見えないなんて一体あの黒ずくめなにもんだよ」

「うん。あのモモ先輩の攻撃を受け止めるだけでもすごいのに。まさかモモ先輩を蹴り飛ばすなんて……」

 京の話を聞いていた岳人と卓也も驚いていた。

「ねぇ……。大和?」

 すると一子が大和に対し不安そうな声を上げる。

「お姉さま負けちゃったりしないわよね……?」

「ああ。大丈夫だ。姉さんは絶対に負けない」

 それは一子を安心させるために言ったのかはたまた自分を安心させるためにいったのか大和自身それをわかってはいないだろう。

 すると吹き飛ばされた百代が空中で体を反転させ黒い外套の人物に突っ込んでいくそして黒外套の直前まで来ると

「川神流!!無双正拳突き!!」

 百代の放った奥義が黒外套の人物に決まった。



 百代の放った無双正拳突きは黒外套の挑戦者の体にクリーンヒットした。

 かのように見えたしかし、実際は黒い外套に当たっただけだった。

 そう中身がいないのだ。
  
 黒外套の人物本人が消えた。

「チッ!!どこに行った!?」

百代はまとわりつく外套を振り払いまわりを見ただが外套の人物はどこにもいない。

「クソッ!どこにいる!?出て来い!!」

「此処よ。百代」

 そして彼女は声のした方向を向く。

 声の主は先ほどみんながいた多馬大橋の鉄骨の上だ。

 
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