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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第十七話 作者は逃亡した! だが捕まった!
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サギは力強く頷き、
「今から魔王を倒します。時間稼ぎをお願いします!」
「それはいいが他の連中はどうする? このままじゃどんどん死ぬぞ?」
十六夜が怪我をしている腕を抑えながら聞く。すると黒ウサギは黒と白のギフトカードを取り出しながら、
「ご安心を! 今から―――月までご案内します!」
は? と声を上げる前に、気圧の急激な変化によって遮られる。
(転移か?)
目を抑えながら変化に耐える。それが収まり、目を開けると、
「ようこそ! "月界神殿"へ!」
「な………!!?」
「皆さんはしばし魔王を抑えてください! 飛鳥さんはこちらへ!」
「インドラではなくチャンドラの神格………、全てのステンドグラスが割られる前に終わらせる……!」
「はっ! やれるもんならやってみな!」
十六夜が蹴りを入れるがたやすく躱される。十六夜が切り裂いた黒い風の隙間から証が狙撃する。しかし、すぐに再生し、致命打とはならない。
「さっきのセリフは嘘でも何でもないってことか!」
「そうよ。私を倒すのなら、星を砕く一撃を用意しなさい!」
ペストの衝撃波を受けながらカウンター気味に蹴りつける。両者は互いに吹き飛び、新たなクレーターを作る。更に証が投擲剣を投げつけ、追撃する。
「あなたも同類でしょう! 大量の死者の霊を連れている」
「オマエとは違う。こいつらは俺が殺した死霊だ」
「な………!?」
「だから同情するつもりはない」
そう言って、掴み上げ、投げた……!
「………っ!?」
まさか黒い風に触れれば死ぬというのに掴んで投げるとは想像すらしなかっただろう。空中に無防備に投げ出されたペストに、
「いまよ! ディーン!」
「DEEEEeeeeennNN!!」
ディーンの投げたインドラの槍がペストに直撃する。
「この程度………なんかで……!」
ペストはまだ抗う。しかし、槍は輝きその力を開放していく。
「そんな………!」
「逃れられませんよ。その槍は正真正銘インドラの槍。我々の勝ちです。"黒死斑の魔王"」
千の雷を開放し、槍は圧倒的な熱量をまき散らしながら爆ぜた。
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