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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第十七話 作者は逃亡した! だが捕まった!
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「先程までの余興とは違うわ。触れただけで、その命に死を運ぶ風よ………!」
「なっ、!」
天を覆う陣風は、如何なる力も寄せ付けない。
黒ウサギは金剛杵を掲げて雷鳴を向けるが刹那に霧散され、手も足も出ずに逃げ惑う。
証も魔炎を放って迎撃する。しかし、互角の威力となり突破できない。サンドラが焦った様に声を上げる。
「不味い……このままじゃ参加者たちが……!」
しかし街の各所に広がっている参加者たちまでに気を配る余裕は三人にはない。証が氷の盾を作り、死の風を防ぐが、完全に防ぎ切ることは出来ず、参加者を庇った"サラマンドラ"の同士が黒い風に呑み込まれ命を落とす。
「そろそろマズくなってきてるぞ!」
黒い風に襲われそうになったサンドラを抱えて飛び退いた証が顔を顰めて叫ぶ。
黒ウサギも覚悟を決めた様に、黒と白で彩られたギフトカードを取り出す。しかし、
視界の隅に、黒い風に巻き込まれようとしている参加者が目に入った。
舞台会場にいた木霊の精霊だ。
(こ、この! 何でこんなタイミングに!)
少年の所へ跳びたいが間に合わない。しかし、直後に春日部耀が飛び降りて少年を抱き上げる。飛んで逃げようとしたが、力がまだ入らないのか逃げられずに蹲ってしまう。
「よ、耀さん!!」
黒い風が襲う瞬間、苦し紛れにギフトカードから取り出した剣を翳す。直後、周りにいた全員が驚愕する。
「………なんですって?」
ペストが震える声で呟く。それもそのはず、神格級のギフトですら相殺出来なかった黒い風を、細身の長剣が輝きを放って防いでいるのだ。それは、大空を彷彿させる蒼い輝きを放っている。黒ウサギはその輝きを見て驚愕する。
「天空の神格!? そんな、一体どうして」
「く、剣一本なんかに!」
怒りを伴ったペストが死の風をさらに集中させる。それを、巨大な鉄人形が遮った。
「DEEEEeeeeEEEN!!!」
「大丈夫? 春日部さん!」
巨体の影から顔を出す飛鳥。それを見て驚嘆しながらも喜ぶ黒ウサギ。
「飛鳥さん! よくぞご無事で!」
「感動の再開は後よ! 前見て前!」
へっ? と振り返るとそこにはペストの黒い風が、
「他所見してんじゃねえぞ! この駄ウサギ!」
「い、十六夜さん!」
一瞬で現れた十六夜が黒い風を弾き返し、連れ去るようにその場から離れる。
「戦闘中に他所見をするなんてね、危ないよ☆」
「な………!?」
黒ウサギたちに気を取られていたペストは証に回りこまれ、"天国"の一撃をうけ吹き飛ばされる。
「どうするんだ? 全員集まったけど?」
黒ウサギたちのもとに戻った証が黒ウサギと十六夜に目配せする。黒ウ
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