幕間 「DEMインダストリー」
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。
何より、世界が変貌してしまったのは『白騎士事件』が原因だろう。
『白騎士事件』とは世界各国の軍事コンピューターが同時にハッキングされ、日本に数え切れないほどのミサイルが飛来してきたのをISが単騎で撃破するという偉業の出来事。
「マジか……」
そのISを男性が動かしたという事実の重大さを認識した社員の一人が、ポツリとこぼす。
「ってことは!」
その一言を切っ掛けに、社員全員が何かに気付いたように顔を上げる。
「「「「「あのハーレム野郎、ドジッたのかァァァアアアア!!!!」」」」」
あまりの大音量にエレンが耳を抑える中、アイザック含む3000人の脳裏に浮かぶのは、二年前に社員になったとある少年である。
勘がいい方は気付いただろうが、先程のニュースが流れる前からここの社員達は、その少年がISを動かせる事を知っている。
「違います。動かしたのは、彼です」
エレンが端末を操作すると、画面はニュース番組からISを動かしたと報道された男性の顔と経歴を映し出した。
「織斑千夏?」
「織斑って、まさか!?」
「そうです。彼は、一夏君の元弟です。そして、織斑千冬、ブリュンヒルデの弟でもあります」
エレンの報告にアイザックは、再び口元を三日月に歪めた。そう、それは、新しい玩具を見つけた子供のようであった。
「で、どうしますか、アイク?」
「決まっている。予定より少々早いが、彼を、我らDEMインダストリー社が誇る《王》、一夏・ウェストコットを送り出そう」
「よろしいので?」
「何、強制はしないさ。彼は、既に我々の家族だ。どこに、好き好んであんな所に送りたがるものか」
アイザックの言葉に、エレンは僅かに安心したようにため息をつく。
だが、その仕草を6000もの眼は見ていたらしく、擬音で表すならキュピーン、と光った。
「では、私は業務がありますので。皆さんも遊ぶのはいいですが、程々で頼みますよ」
そんな事は露知らず、立ち去ろうとするエレンだが、その進行方向を社員が塞ぎ、アイザックが肩をガッシリと掴んだ。
「まあ、待ちたまえ、エレン君」
「何でしょう?果てしなく嫌な予感しかしないので、早く立ち去りたいのですが」
「まあまあ。それより、一夏君とはどこまで進んだのかね?Cまで行っちゃった?」
「な、ななななな、何を!?」
顔をゆでタコのように真っ赤にして、エレンはワタワタと手を振る。
その様子を、我が意を得たりと言わんばかりにアイザックがにじり寄る。
「フハハハハ。知っているぞ。三日前のデートの時、着て行く服を選ぶのに五時間かけていたこととかな!」
「な、なぜそれを!?って、ハッ!!」
いきなりのプライバシー暴露に、エレンは取り
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