幕間 「DEMインダストリー」
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ウオオォォォ!!」
高らかにスマホやiPhoneを掲げた男達は、直ぐ様画面をタッチし始める。
「何やっとんじゃ、お前らァァァ!!」
そんな中、壇上にいた青年は乱入してきた女性、『エレン・M・メイザース』のドロップキックで吹き飛ばされる。
「「「「「ア、アイザック社長オオォォォ!!」」」」」
「騒がしいぞ、ボンクラ共。私のことは、少佐と呼べと言った筈だ。ああ、響が呼んでいる。あのどうしようもない、寂しがり屋が。私は彼女の元へ逝かねばならん」
グフッ、と口から赤い液体を垂らしながら、アイザックは社員の腕の中で、ガクッと倒れた。
「しょ、少佐アアアァァァァ!!」
「何トマトジュースを吐いてるんですか。というか、今日社員の集会はなかった筈ですが?」
「見て分からないかね?」
「分かりません」
バッ、と起き上がったアイザックが、両手を広げながら自慢げに話すが、バッサリと切り捨てられる。
「ゴホン!まあいい。エレン、これを見たまえ!!」
アイザックが差し出したスマホを、エレンが覗くと『アイマス期間限定キャンペーン開始!!』と表示されていた。
察したのか、エレンの瞳がスッと細くなる。
「まさか……」
「そう!これから、期間限定キャンペーンが開始されるのだ!我らは非課金組。課金組に対抗できる手段とは何ぞや?ズバリ、人海戦術さ!!」
周りにいる社員達は、既に画面をタッチしたりボタンをカチカチ押していたりして、誰もエレンとアイザックを見ていない。
だから気付かなかった。エレンの拳がプルプル震えていることに。
「しょーりゅーけん!!」
「たわばッ!!」
空へと舞い上がったアイザックは、すぐに床に打ち付けられた。
「しゃ、社長に向かって、秘書がする行動かね!?」
「それより、これを見てください」
エレンの言葉と共に、巨大な投影スクリーンが広場に現れた。
『臨時ニュースです!』
映ったのはニュース番組で、何やらキャスターが慌しく原稿を読み上げていた。
『何と、インフィニット・ストラトス、通称ISを世界で初めて、男性が動かす事に成功しました!!』
IS、正式名称を〈インフィニット・ストラトス〉従来の科学、常識を全て塵に返したパワードスーツ。
宇宙での活動を想定して開発されたスーツだが後に兵器に転用、そこから各国の協議を経て現在はスポーツとして扱われている。
ISが社会に与えた影響は大きく、何より『ISは女性しか扱えない』
ただ、それだけのことで世界はあっさりと変貌を遂げてしまい、男女平等であった世界は女性が男性を見下す女尊男卑へと変わり果ててしまった。
その言葉が世界に浸透するまで時間はかからなかった
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