使榎井くんと七人の刺客
刺客はもう、死んでいる
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ロるって何?」
あまりバカにされ慣れてないのだろう。イケ面はすぐに釣られた。こめかみには、便座で気張ったような青筋を立てている。バカにされるのは、俺の専売特許だ。方法も熟知している。
「君たち、離れなさい」
取り巻きを散らしたイケ面の周りから一瞬だけ熱気を感じた。無詠唱でこの力は反則だ。後少し近ければ、火傷していたかも知れない。
「おいおい、火遊びは嫌いなんだけどな」
「生憎、僕は大好きなんだけどね。性的な意味でも」
くそ、イケ面が羨ましいぞ。この感情で俺にも火属性の魔法とか使えるようにならないかな。
「一ついいか。お前、辻ほどじゃないな」
イケ面は、驚いた様にあっけらかんとした後に、報復絶倒とばかりに笑いだす。
「やっぱり君は噂通り、バカの類か。良いよ。僕の本気を見せてあげようじゃないか」
「やれやれですわ。校則第3条をご存じですかしら?」
もう一度、彼が熱気を帯び始めると、一之瀬が止めに入った。
「ブリッツ学園の生徒は、課外と犯罪者の捕縛目的以外で魔法を使うことを禁ずる。ですわ」
少し血の上っていたイケ面は、頭が冷えたのと同時に体から発する熱気も治まったみたいだった。
「そうでした。では、いつか証拠を掴み次第、あなたを裁きましょう。辻さんから話は聞いてますから」
「麻義くん。なんかやったの?」
「いや、昔に辻と色々あってな」
また取り巻きを引き連れ、去りながら彼は言う。
「そうそう、もう一人目は倒したようですが、私を入れてあと6人居ますから悪しからず」
何の話かは、すぐにピンときた。あいつは刺客の話をしている。初日早々に問題を起こすとか、内申点に響かないかが心配だ。
しかし、倒したつもりもない刺客が既に一人ログアウトしてるとか……。
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