上様のおな〜り〜
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吉宗
「上様! 上様! 大変ですぞ!!」
「どうした。爺?」
また、なにかあったのか?
「はい、陰陽師達から報告があがって来たのですが、それがまた!」
「例の龍神村の件か?」
「いえ、そうじゃありませぬ。二日ほど前、江戸に強大な力をもった妖怪が入ったとのことです」
「陰陽師が張った強力な結界があったのでは無いのか?」
先代たちが張った結界は今も生きているはずだ。
「はい、どうやら巧妙に隠蔽されていたとかで…………」
「よく気づき申したな」
「大岡殿。それが、隠蔽されていた場所をさらに別の妖怪が通ったので気付いたとの事じゃ」
「して、その妖怪どもはどうなったのだ?」
民に被害が出てなければ良いが…………火事の件もある。
「この報告によりますと、先に入った者たちは不明ですが、後に進入した妖怪は現在、陰陽師が追跡中とのことです」
「そうか、では引き続き調査をするよう伝えてくれ」
「わかりましたぞ」
爺が出て行き、話しを元に戻す。
「それで、忠相。先ほどはしていた件だが…………」
「はい。巷で噂になっている巫女でございますね」
「ああ。詳しく申してみよ」
「はい。その者は雷を落とし、雨を降らせ、次々と人々の傷を治したそうです」
「そんな事が人には可能なのか?」
雨を降らすことは数十人がかりで陰陽師が三日三晩も不眠不休で祈祷を捧げてようやくと聞いたが…………それを一人でか。
「はい。実際目撃情報もございます。黒い髪に蒼い瞳の少女だったと」
「蒼い瞳だと? その者が現れたのはいつだ?」
「昨日の火事が有った時と聞いております。それ以前には目撃情報はありません」
昨日か…………もしや爺のいったことに関係があるのか?
「強大な妖怪と関係あるかもしれないな。しかし、なぜ巫女なのだ?」
「はい。雨を降らす時に神楽舞を舞ったそうです。その姿が神秘的だったとかで、そのように言われております」
火事か…………め組にいけば何か分かるかもしれないな。
「あと、気になることが一つございます」
「なんだ?」
「失礼いたします」
御庭番の才三が入ってきた。
「龍神村の件か、先に良いか?」
「はい」
龍神村との連絡が途絶えたと報告があり、先遣隊を派遣したが誰一人として帰ってこなかったために御庭番を派遣したのだ。
「ご報告申し上げます。龍神村に潜んでいた鬼は何者かによって始末されておりました。村人の話では、龍神の使いが現れたと申しております。そして、龍神の巫女を連れ立って、共に旅に出たとも申しており
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