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SAO編−白百合の刃−
SAO39-秘められた力の持ち主
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ればいいんじゃない? そう簡単に一瞬でやられないと思うし」
「ケッ、どうだろうな。あいつが単にバカなだけかもしれねぇぞ」

 あんたならともかく、剛姫はそうだと思わない……と思う。

「まぁ、いつでも助けられるようにと邪魔しないように待機することだね」

 私がそう言うと漆黒を除いた三名は頷いた。でも漆黒は頷かなくてもわかっていると思っている。
 先ほどのモンスター集団の戦闘中、たまに剛姫を一瞥したことがあった。それは自然な動作で優雅に決め、圧倒的な力を発揮していたように見えていた。一瞬だけでも他よりも飛び抜けていることを感じさせてしまうのはそれだけ強者の証が宿っているのか、または私の思い過ごしなのか。
本当は実験と称して、剛姫の強さを確認するために見学ではなく助太刀した方が良いに決まっているけど、最終的に裏層をクリアできれば何も問題はないはずだ。丁度見させてもらいますよ。
 剛姫が前へ歩くにつれて、距離が縮まってくると仁王立ちをしていたサムライドリザードマンは鞘からカタナを抜き、空へ向けるように先端を向け、両手で構え始めた。いかにも時代劇の勝利BGMが流れそうな侍の構えをしている。
 対する剛姫は右手でウインドウを開いてなにかを操作していた。ウインドウを閉じる仕草を終えると、剛姫の後ろ腰に片手用の斧が出現して、右手で片手斧を手に取った。
 左手に剣、右手に斧。異なる武器を持つ剛姫はゆっくり距離を縮めていく。サムライドリザードマンは後ろに下がって、剛姫と距離を縮めないように保っている。剛姫が近づくと、サムライドリザードマンは後ろに下がり、剛姫が後ろに下がると、相手は前に進むのを繰り返し、モンスターが積極的に攻撃をしかけることはない。
 そして剛姫が前へ一歩を踏み出した瞬間、一気に距離を縮めて左手の剣でサムライドリザードマンのカタナを抑えて、もう片方の斧で薙ぎ払うように攻撃を仕掛けた。

「おお!?」

 始まった。
剛姫が左手を持つ剣の突きを仕掛けるとサムライドリザードマンはカタナで流しながら斬りついてきた。
 サムライドリザードマンの戦法は基本的にカウンターと隙のない攻撃が多い。相手から攻撃してきたのを上手く流して確実に攻撃を与えてくる。それが多数相手でも十分にやっていけるから倒しにくい厄介なモンスター。そして少しでも隙を見せたら一瞬でダメージを与えるみみっちい隙のない攻撃を仕掛けてくる。
 これ以上のボスモンスター意外で厄介なモンスターはいるのだろうか。ほとんどの人があのモンスターとはできるだけ戦いたくはないだろう。
 だけど、
 それでも、
 剛姫には厄介という言葉なんか関係なかった。

「お、おう」
「へぇ〜」

 赤の戦士と狙撃者が関心の声を漏らしているようだ。私も彼女達と同様にしっかりと見て
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