プロローグ
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2009年4月20日早朝 成田国際空港
「ふぅ……。やっと帰ってこれた、結構時間がかかるもんね〜」
ひとりの女の子がつぶやいた。
流れるような黒髪をポニーテールにし、大きなボストンバックを肩に担いでいる。早朝ということもあってか空港内に人はまばらだがそれでも行く人来る人は彼女に目を向けずにはいられなかった。確かに女の子がでかいボストンバックを肩から担いでいること自体結構目を引くがそれ以上に目を引いてしまっている部分がある。
それは・・胸だ。
そう彼女の胸は男なら見ずにはいられないほどたわわに実っており先ほどから会社員っぽい男性がチラチラと見ている。
また中には女性も彼女の胸をチラ見している。そして自分の胸に目を落としては落胆したようにため息を吐いていた。当の本人はそんなことを気にした様子もなくバックを担ぎなおし出口に向かって歩き出した。
その途中でも結構人に見られたはいたもののやはり本人は気にした様子もなくずんずんと進んでいき空港から外に出た。
「さてっと、じじいとルー師範代が来てるはずなんだけど…」
彼女があたりを見渡していると彼女の目に明らかに目立つ二人の男性が写った。
一人はやたらひげが長い気の良さそうな老人だ、しかし圧倒的な存在感がある。もう一人は緑ジャージを着込んだ男性だがこちらも一般人から見ればただの人だが武道をやっている者が見れば只者ではないことがすぐわかる。
すると老人たちの方も彼女に気づいたようで彼女をよんだ。
「おーい。こっちじゃ」
「はいはい。まったく二人とも相変わらず変わらないのね」
苦笑しながら彼女は二人も元へと小走りにかけていった。
二人のもとに行くとまず声をかけてきたのは緑ジャージの男性だ。
「久しぶりだネ〜。元気にしていたかイ?」
「ええ。ルー師範代こそ相変わらずお元気そうで何より」
「うン。僕はいつも元気だヨ!もちろん一子もネ」
そういうとルー師範代と呼ばれた男性は型をとって体で元気を表現した。
女の子はそれを苦笑しながら見ていたが、そこで懐かしそうに目を細めた。
「一子か。あの子もあんまり変わってなさそうね」
二人が談笑していると老人のほうが彼女に声をかけてきた。
「よく帰って来たのう」
「ええ。言われたとおり一年きっかりにね。そんじゃ改めまして挨拶とさせてもらいましょうか。…我が師匠川神鉄心、そしてルー・リー師範代。帰ってまいりました。これからもまたご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
彼女は深々と頭を下げた。
が、すぐに頭を上げにやりと笑いながら鉄心に言った。
「……こんなもんでいいかわよねじじい?」
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