第5話 待って居たのはイケメン青年ですよ?
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手に、コチラから手を出す事は、紡、そして一誠には出来なかったのだ。
その瞬間。
「極めて汚も滞なければ穢れとはあらじ」
紡、そして、一誠が手出しを躊躇う中、世界に白い紙が舞う。
それは、まるで雪のように舞う白い紙。大体、一辺二センチから三センチ四方に刻まれた大量の紙吹雪。
対して、そんなハクの動きになど気に掛けた風もなく、妙な東洋的笑みを横顔に浮かべた青年が、祠に向かってその手をかざした。
その刹那、その青年の身長の半分もないような祠が震え出す。
それは微かな震動。しかし、その振動が紡。そして、一誠が立つ岩盤にまで響いて来る。
そして、その祠の震動は、今や洞窟……黄泉比良坂全体に共鳴現象を発生させ……。
「内外の玉垣の清浄を申す」
祝詞を唱え終えたハクが柏手をひとつ。
その瞬間、美月とハクの周囲から一切の不浄が払われる。そう、これは神道に伝わる禊の空間。
但し、彼女らから離れた空間に漂う純白の紙片は、見ている目の前で少しずつ穢れを受けて黒く変色して行くのが判った。
つまり、この空間自体が、それほど穢れに満ちた空間だと言う事の現れでも有る。
刹那。小刻みな震動を続けていた祠に次の変化が訪れた。そう、徐々にその扉が開いて行き……。
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