第5話 待って居たのはイケメン青年ですよ?
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
情が浮かんでいない事が確認出来たのなら……。
彼女自身がこのまま、この洞窟の奥に向かって進む事が出来なく成る事は確実でしたから。
☆★☆★☆
一度、人が一人通るのがやっとと言うぐらいの大きさにまで縮まった洞窟が、そこから更に奥に進むに従って徐々に大きく、そして広く成って行く。
但し、それに比例するかのように、洞窟内は天井も見えないぐらいに濃い闇に覆われ、冷たい霧に閉ざされ、
そして、空気が澱んで行った。
そうして……。
闇の奥で、何かが吼えている。
遠雷のような悪しき気配を感じ、先を急いでいた歩みを止める一誠。
そう。この闇と霧に覆われた世界に召喚された瞬間から感じ続けて来た、空気や霧。そして、世界自体を震動させるような低く、這うような響き。
一歩。また一歩と進む度に、足元から這い上がり、背筋に冷たい何かを押し当てられるかのような不気味なそれが、徐々にソイツが近付いて来て居る事を知覚出来る。
そう言う感覚を、今までで一番強く感じたのだ。
そのギフトゲームの勝利条件。閉じるべき扉と言う物が近い。何故かその瞬間、そう言う確信に近い何かが今の一誠には感じられたのだ。
そう。これは、五感を越えた第六感に因るもの。但し、この部分を研ぎ澄ます事が、聖闘士としての重要な修行とも成って居る。
その時。
足音?
そう。その瞬間、一誠の耳が追いすがって来る複数の足音を捉えた。
闇色に染まり、霧に包まれた洞窟内で生者の雰囲気を持つ存在。更に、一人は良く知って居る人物が発するコスモ……と言うか雰囲気を発する人物。
但し、これは少し不自然。聖闘士として聴覚も当然、常人のそれからは考えられないレベルに鍛えられて居り、更に、聖闘士の修業の中には意図的に五感の内の幾つかを封じる類の修業と言う物も含まれている。
その一誠が、ここまで接近されるまで気付かないと言う事は……。
少し、思考の海に沈みかかった一誠が差して待つ事もなく、霧の向こう側から一人の少年が。そして、別の方向から二人の巫女姿の少女と、一匹の白猫が登場して来た。
「一誠?」
新たなる登場人物の内、以前から面識のある少年、縁間紡と言う名前の転生者が先に声を掛けて来る。
そう、縁間紡。光の戦士の能力を持って転生した転生者。彼も一誠と同じ箱庭世界の西区画に存在するノーネームのリーダー。
そして、以前、ギフトゲームで戦った経験のある相手で有った。
「成るほど。お前達もこのゲームに呼ばれたと言う事か」
一誠とは浅からぬ因縁を持つ紡が、彼と、そして、自らよりも後に、このやや開けた場所に現れた二人の巫女服姿の少女たち。そして、彼女らの足元に存在する一匹の白猫を順番
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ