SAO編−白百合の刃−
SAO7-ビーストテイマー・シリカ
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「キリト君! キリト君ってば!」
アスナは悲鳴にも似た叫び、床に転がった兄に呼びかける。
「大丈夫だよ、アスナ」
「でも! キリト君が死んじゃったら……」
「いや、消滅してないんだから死んでないよ。そのうち起きるって」
HPバーも尽きていないのに倒れたってことは、単に力が抜けただけなんだろう。きっとすぐに起きるはずだ。
あんなに二刀の剣を何十斬撃繰り出しつつ、振る速さも落とさず、逆に加速して振るっていたら、意識なんて持たずに気が失うよ。
「じゃ、兄のことよろしくね」
「え?」
「私達は先に帰っているから」
とりあえず兄はアスナに任せるとして、私はドウセツと共に七十四層の転移門へ行くとするかな? 帰りながら経験値も増えたりできるしね。七十五層の転移門のアクティベートは誰かにまかせよう。
「ドウセツ、帰ろっか」
「そうね」
特に語らず、ドウセツは私と共にボス部屋から出ようとした時だった。
「キリカ」
クラインに呼び止められた。
……やっぱり呼び止められるか。それも当然だよね。この世界で薙刀を見るのは初めてに違いない。だからクラインが言いたいことは、だいたいわかる。仕方ない。『ユニークスキル』に関しては寝ているところ悪いが、兄にまかせよう。
「私が『薙刀』使うことに驚いている?」
「ったりめえだ! キリトといい、あんなスキル、見たことねぇ!」
「だよね。兄に関しては、初めて見たけど」
「ん? キリカも知らなかったのか?」
「知らないわよ。兄が二刀流だなんて。でも、その逆もあって兄も私が『薙刀』使うのは知らないはずだよ」
『二刀流』ね。だから上の層になって行っても盾を使用しない理由がわかった。普段は片手剣を装備しているが、二刀流にする時に盾が邪魔になる。すぐさま片手剣から二刀流に切り替えるために盾は装備しないところかしらね。
だけど、あの様子だと、私やドウセツみたいに補助用の『ユニークスキル』はないのかしらね? 本人に訊ねないとわからないか。
「だから兄の二刀流は本人に聞いてね」
「お、おう。それで、キリカの『薙刀』はなんなんだ」
「私の『薙刀』スキルはちょっと変わっていてね。カタナと棍棒で組み合わせることで初めて『薙刀』が使えるの。だから装備にはカタナと棍棒がなければいけない。ちなみに、メイス系は駄目だったわ」
「わざわざそんなことしなくちゃならないのか。んで、出現条件は?」
「知らん」
「知らんって、おい……」
「何気なくスキルウィンドウを見たらあったんだからわかりません。条件関係なく、もらった感じがするし」
「もらったって、スキルを貰うってことあるのかよ。それに、誰に貰ったんだ」
「それも知らん」
「知らんって……ま、知っていたらす
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