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SAO編−白百合の刃−
SAO7-ビーストテイマー・シリカ
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 戸惑いながら顔を上げ、涙を(ぬぐ)い、改めて水色の羽根に視線を落とす。そして彼女は恐る恐る手を伸ばし、右手の人差し指で羽根の表面をぽんとシングルクリックする。浮き上がった半透明のウインドウには重量とアイテム名が表示されていた。

『ピナの心』

 ピナ? あ、あぁ……フェザーリドラの名前なんだ。

「うぅ……」
「!?」

 えっ、ちょ、また『ビーストテイマー』の少女が泣き出しそうになっている!? ち、違う。おいうちをかけるつもりで言ったわけじゃないと証明しなければ。

「ま、待て待て待って! まだ泣かないでね、ね?」
「え?」

 彼女は慌てて顔を上げている間に、受信ボックスから疑問に感じていたことを書かれている兄からのメールを読み通す。
 ……うん。訊ねてもいないのに、情報を提供してきた兄には感謝しないとね。本当は、しばらく前線を抜けて三十五層で依頼をしてくるって伝えただけなのにね。

「あにじゃなくて、友達からの情報をメールでくれたんだけど、その内容が心のアイテムが残っていれば、まだ蘇生の可能性があるんだってさ」
「え!?」
「メールの内容だと、四十七層の南に『思い出の丘』って言うフィールドダンジョンがあって、まだあんまり知られてないけど、そこのてっぺんに咲く花が使い魔の蘇生用のアイテムらし」
「ほ、ほんとですか!?」
「おおっ!?」

 まだ言い終わってないのに、少女は訊ねた。
 でも、それは仕方ないことだろう。さっきまで、もう二度と戻らない友達が、再会できる希望の光が差し込んできたから。深い悲しみから抜け出そうとしているけど……ちょっとねー……どうしよう。

「……四十七層……」

 そう呟いて、少女は再び肩を落としてしまった。
 当然、肩を落とすことになるよね。『ドランクエイプ』での戦闘を見ていると、三体相手でも四十七層に出てくるモンスターを倒せるレベルではないと思う。
 でも、念のために聞いておこう。

「……レベルとか聞いていいかな?」
「よ、よんじゅう……よんです」

 そ、そりゃ……肩を落とすよね。今いる三十五層から十二の層の上にあるフロアに、『ビーストテイマー』のレベルでは安全圏には入らない。
 だったら、私が変わりに行けばいいんだけど。参ったことに、蘇生するためには使い魔のビーストテイマー本人が行かないと、肝心な花が咲かないらしい。兄が送ったメールの内容は本当なら、ピナというフェザーリドラを蘇生するなら、『ビーストテイマー』が行かなければ無理になってしまう。しかも、彼女にとっては更に肩を落とす条件があってしまう。

「あの……情報ありがとうございます。頑張ってレベル上げすれば、いつかは……」
「えっと……いつかは、無理なんだよね」
「え、あの
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